Ж-18 揺るぎないモノ一つ ~Only My Starlight~
反射的に駆け出したけど、 あれ?
別に行かなくてもいいんじゃね?
異世界だし通報の義務ないし、
とか想ったが一応確認だけはしておこうと現場に急ぐ。
辿り着いた先は何と解り易い、
ブッ倒れてる粗暴な男5人と
両腕を抱えて震える小柄な少女、
紳士な相方が自分の外套を彼女に掛けております。
千切れた服の切れ端が地面に散らばってるから、
何をされかけたかは知るまでもないね。
あと奇襲かけたからかもだけど相方強いね、素手なのに。
取り敢えず駆けつけたはいいがオレはやる事なくなってるので
落とした篭から散らばってる野草や木の実を拾って戻す。
ミウ、 手伝うのはいいけどあんま役に立ってねーよ、遅過ぎ。
「ほい」
そう言って篭を差し出すが
少女はまだ震えたままで手も伸ばさない。
当たり前か、 見たカンジ12~3歳ってところで
それがいきなり大人の男5人に襲われればねぇ~。
相方が助けなきゃどうなってたって話よ。
幾ら耳が長くても。
「拠点に、連れていって構わないだろうか?」
「いいんじゃない? 何か飲ませてやって。
オレ、 ちょっと残るわ」
埒が開かないので後は相方に任す。
僅か逡巡があったが、
少女の肩を抱いて落ち着かせながら
森の向こうに消えていく。
さて――
5人の男共はそれぞれ呻き声をあげているが気絶してるわけじゃない、
失神KOされてようやく眼が醒めたという具合かね。
そのまま寝ときゃあよかったのに、 ったく冒険者とかいう奴は。
構えた指先で延びる悪魔の爪。
生かしときゃあまた来るよね、
他のヤツにも知られるよね、
今度は絶対間に合わないよね。
というわけで判決。
「な、 なんだおまえぇ……? やめ……ッ!」
「死刑」
無造作に伸びた爪が、 容易く5つの命を刈り取った。




