PROLOGUEⅡ ~After Destroy……~
信じられるかい?
今居るこの世界は唯一無二のものではなく、
その傍、 或いは向こう側には、
此処とは異なる世界が列なっている事を。
そして仮にこの世界で命の終焉を迎えたとしても、
別の偶発的な召喚に拠って、
新たな生命として「転生」出来る事を。
僕は知った、 いや、 知らされた、 名も無い一人の少――
って、やかましゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!
よくある〇〇ラノベの、 〇〇〇厨二ポエム全開で冒頭初めんな!
〇〇〇〇なんじゃ!
大体 「信じられるかい?」 って誰に言ってんだよ!
読者か? そういうメタ的な事冒頭でやられると一気にシラけるんだよ
こっちは!
というワケでおはようございます。
おはようからおやすみまで、 年がら年中毒吐きまくりの
ノエル・メタトロンで御座います。
いやぁ~、 正直アレから三日三晩寝っぱなしでね。
魔導も異能も遣えなかったから
古今のラノベ業界脳内でクサす位しかヤる事なかったのよ。
声もロクに出なかったから相方にも愚痴れないしね。
何とかジェスチャーで伝えようとしたんだけど
「安静にしていろ」と叱れた、テヘ。
あぁ~、 元のヴィジュアルだったら顔面にマジパン入れられても
文句言えないところだわぁ~。
そんなアホな事を呆戯きながら右手のコンパクトをパカリ。
あぁ、 この前魔導で虐殺った女が持ってたのよ、
泡沫? とかいうたくさん物入れられる魔導具の中に入ってた。
下の部分にファンデーションみたいな化粧品があるけどシラネ。
使い方解んねーし、 使わねーし、 大事なのは鏡よ鏡、 鏡サン、
この世界で一番の凶悪な魔皇はだ~れ?
手鏡を右手に据えたまま左の瞼をパックリ開けてみる。
さて御開帳~、 眼球の白目の部分に見事な 『刻印』 が御座いま~す、
しかも三つ!
こりゃ痛てぇーわけだわ! 小さいけどなんかギザギザしてるし
色も違うし! っつーか何で血が出たんだ?
いや刻印の余波で瞼の肉が裂けたとかそんなトコだろーけど。
兎に角コレがオレの 【魔 皇 種 源 泉】 を顕す証憑で
魔皇足る象徴なんだってさ。
そう良かったね! 痛み無しならもっといいのにね!
烙印とか要らないから!
「痛み」 って、 来るのが解ってると待ってる時の方が
怖ぇーんだよ!
ちなみに左からИ、 ∇、 μってカンジで並んでる、
受けた痛みの箇所からすると真ん中、 左、 右って順番だけどね。
あぁ、【原初魔導】 は 『万魔殿』 から
派生した能力だからИの刻印に似たような紋様が重なってる。
あくまで 「派生」 であって厳密には
【魔 皇 種 源 泉】じゃないのね。
魔皇属性じゃないオレの固有異能、
『創成者』 の影響が強く出てるらしいから。
関係ないけどオレが自分の 「容姿」 を
はっきりと確認した時の第一声は、
「シェ〇ルっぽい……」だった。
まぁ殆ど髪の色からだけどね。
四つん這いで項垂れるオレを相方がよしよししてくれた、
やっぱ良いヤツ。