EPILOGUE ~Death & Rebirth~ ③
~§狂え万物よ。 汝が掌に握るは仮初の現世§~
~§愚弄に残存を附帯する為らば、 戯弄を繰る偶像を毀壊せしめる§~
~§散逸せん、 散佚せん、 徒花よ§~
~§その偽典すら神理狎れば§~
~§朱に濡れし欺罔ならば、 傍らに在らん§~
魂の定着した幽体が 「受肉」 し 『生命』 として定義付けられた。
後はその全機構を励起させるエネルギーを注ぎ込めば、
一つの存在として自律し始める。
要はスイッチをONにするだけのコト、
それぐらいなら残存魔氣と根源魔那でなんとかなる。
さっき魔氣が尽きたといったがアレは体力的なモノで
「生命力」 なら話は別だ。
人間はただ生きているというだけで、
実は凄まじいまでの耐久力を内在している。
致命的な受傷を負っても主要器官が粉々にでもならない限り、
そう簡単に 「即死」 はしない。 オレ自身体験済みだ。
仮死状態の生物を、 魔皇異能でオレの魂と接合させ
甦らせる原初魔導。
『死 蝕 兇 天 儀ッッッッッッ!!!!!!』
兇暴な眩さと共に、 ゴッソリと抜けていく魔氣と魔那。
周囲の樹々がその迸発で、 昏く染まるほどに。
その中心点で弾けた魔光は頭上の雲海を突き破る。
オレが今まで発動させたモノの中で、 間違いなく最大最強の魔導。
「が……ッ!」
その終焉と同時に両眼から、 額から、 全身の皮膚の裂け目から
噴出する鮮血。 宛ら、 生命の花片のように。
暗転した意識と大地の衝撃。
結果なんぞ、 知った、 事か。
でも、 やってやった。
やってやった、 ぞ……!