EPILOGUE ~Death & Rebirth~ ②
もういいじゃん、 充分やったじゃん、 こいつも許してくれるさ、
ヤるだけヤったんだからな。
とうとう自分まで敵に回りやがった。
諦めがどんどん心を浸蝕してくる、
楽になりたいという気持ちが堪え難く競り上がって来る、
結局、 最後は気合いだけじゃどうにもならない。
「ク、 ソ……」
左眼から血涙を滴らせたまま、 膝の力がガクリと抜ける。
バジンッ! と帯流の繭が消え去り、 ピンクの亡骸が地に落ちる。
魔氣が、 尽きた。
魔那も、 同じコト。
ただ終焉を先延ばしにするだけで根本的な解決にはならない。
嗚呼、 魂が、 離れる。
あんなに必死で創った幽体から、 嘘みたいに透り抜けていく。
「あ……」
視えないが感じた魂魄に、 届かない手を伸ばす。
昇っていく、 昇って、 いく。
もう決して、 手の届かない場所へ。
何処かで、 見た光景。
アレは、 オレが――
転、 生?
「繫がれェェェッ!」
瞬間、 残った魔那をピンクへと伸ばす。
だがオレに出来るコトはもうコレだけだ。
だから――!
おまえが掴め!
『生きたい』 なら、 おまえが自分で掴むんだ!
オレの魂に繫がった、 この魔那を!
≪CAUTION! 【魔 皇 種 源 泉】
『逢 魔 ヶ 刻』 開放!
磔架劫哭、192%!? 限界突破ッ!≫
待ちに待ち兼ねた左眼の激痛。
コトこの状態に至っては苦痛すらも心地良い。
烙印だろうが焼印だろうがもっと捺し付けろ!
そうすればするほどより強く魂が繫がっていく。
戻って来る! 取り返した!
魔那を通じての視えない魂の繋がりが、
スライム一匹ここまで取り戻してやったぞ!
後の作業は、 今までに比べれば恐ろしいほどに簡単だ。
無傷の幽体に魔那の糸で繫がったままの魂魄を定着させる!
今度は暴れ回らない、 オレの能 力で
『魔皇眷属』 として存在が 「支配」 されているから、
もう一回殺さない限り 『契約』 が切れない!
ハハ、 ざまあみやがれ!
そういつもいつも、 神々の勝手が通ると想うなよ?
さあ、 最後の仕上げだッ!