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Ж-15 魔 言 変 換 ~Trance Code~ ⑤





 新たなる異能。

 既に完成した詠唱を強制的に描き換える事により

その威力、 範囲、 属性までも変化させるコトが出来る。

 昨日屑共を屠った魔導は闇属性だったが、

今の魔導は光属性だ。

被虐(ひぎゃく)(さいな)みは無く、 速やかなる安息を与える事を是とする。

 血が騒ぐ、 血が(さわ)ぐ。

 どうやら 【魔 皇 種 源 泉(サタン・オリジン)】 とやらは、

戦い、 というかオレ自身の “破壊衝動” に呼応するらしい。

 想えば今までコレの能力が発現した時はみな、

オレが何かを破壊(こわ)そうとしていた時。

先刻の異能戦も、 一方的に相手を攻撃していた間、

サディスティック(嗜 虐 的)な感情が芽生えなかったかと

云えばソレは嘘になる。

 逆水平に構えた指を解きそのまま横に薙ぎ払うと、

一挙に魔導が解けて全身(アナ)だらけになった亡骸が現れる。

 正直相当グロい(醜悪な)筈なんだが、 不思議と嫌悪感は沸かない。

 おまえはオレ、 オレはおまえをお互い本気で殺しにかかったから、

だから、 生まれる感情か? ただの偽善っていわれりゃそれまでだけどサ。




貪喰(アバドン)




 身体の内も外も孔だらけになった(かばね)を、

魔氣(マギ)魔那(マナ)攪拌(かくはん)して躰の裡に取り込む。

 背後には無数の死骸が転がっているが今呑み込むのは

コイツだけ、 しっかりと、 苦い脳髄を咀嚼(そしゃく)するように、

(はだ)から全身に馴染ませる。

 強さで言えば、 今までの魔物に比べてそんなに強い方じゃなかった。

 でもオレは、 何かコイツが気に入った。

 絶対勝てない相手に、 死に物狂いの猛攻を掛ける。

 オレには出来るかどうか解らないから、

何だか少し、 羨ましかったよ。


 背後に拡がる、 死の(わだち)

 それも余す事なく 『貪喰(アバドン)』 で呑み込む。

 お前等はオレを喰おうとし、 オレは勝ったからお前等を喰らう。

 これからも、 ずっと、 死ぬ(滅ぶ)まで続けていかなければならない事。

 文句はないよな? 対等な殺し合い(勝負)だった。


挿絵(By みてみん)



 NEXT PHANTASM…Ж




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