Ж-14 魔 皇 単 騎 ~Running To Horizon~ ④
「オレだって、 魔導や異能を遣い熟せるようになりたいし、
転生したからってそう簡単に死ぬつもりはない。
だったら尚更、 君に頼るわけにはいかない。
友達ってそーゆーモン?」
うっ、 我ながら結構恥ずかしいコト言ってる。
でも、 『楽しい時だけ一緒にいて、 辛い時や苦しい時、
一緒にいないのは本当の友達じゃねぇ』
っていうマンガのセリフが好きなのよ。
それにズルズルベタベタ頼りっきりっていう関係、
どーにも気色悪い、 リュカとはそういう関係になりたくない。
多分、 一緒にバカみたいなコトで笑えなくなる。
「……」
ゴツンじゃなく今度はコツンと頭を当てる。
「同じ男として、 信じてくれ。
オレだって強くなれる、 一人でも、 やれる」
あぁ~、 多分こんなコト、 美少女にでもなってなけりゃやれないね。
リュカ曰く相当なモノらしいが、
身体が精神に干渉するってマジだな、
男同士っつーか男のままじゃ絶対出来ねーわ、
美男同士でも多分アウト。
「夕飯は、 豪勢になりそうだな」
それ以上は何も言わずくるりと背を向ける相方、
男だね、 ありがと♪
そんでオレは逆方向に、 新品の靴の踵を鳴らしながら歩き始めるが、
お、 重い、 スライム共がお盆の海水浴みたいにしがみついて
やーやー、 言ってやがる。
そのたんびに奇声をあげて振り解くが何度やっても纏わってくる、
お前ら昔のスポ根モノの最終回かよ! 全然諦めねーじゃん!
仕方がないから、 「オレは、 ちゃんと、 帰って来る」
「何も、 言わずに、 いなくなったりしない」 と
一語一語噛み締めるように、 噛み締め過ぎて血が出る位に
ジェスチャー付きで言い聞かせようやく
渋々ながら事無きを得る。
「ママが信じられないか? (キリッ)」ってのが効いたな多分、
後ろで 「ママー、 はやくかえってきてね~」 と涙声が聞こえるが
流石にもう追っては来ない。
あぁ~、 ヤバイ、 「もう来ねーぞ!」 とか言ってダッシュで逃げたい!
まぁ折角造った拠点だからね、 無駄にする気は毛頭ないけど。
そうだ、 槍は、 置いてくか、 樹の洞にでも隠しとこう、
無論内部は魔導で拡げてね。
さて、 じゃあ行きますか、 魔導と異能、
どこまでヤれるか試してやる!
今日はここまでです