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【ZODIAC PARADOX EXTREAM/CHAOSPHERE!】 ~戯題・愛のままにわがままに 魔皇少女は異世界に屈しない!~   作者: 沙波羅 或珂
【第三章/冥 獄 の サ タ ナ エ ル】

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Ж-79 逢 魔 ヶ 路 ~Devil Load's Road~ ⑩





樹 海 ノ 異 図(フォレスト・スレード)ッッ!!』

挿絵(By みてみん)






 解答(こたえ)が出る前に魔導を叫ぶ。

 即座に伸びて来た樹の(つる)が腰に巻きつき樹上へと

オレを引っ()り上げる。


 ヴォガアアアァァァァッッッッッッ!!!!!!


 寸前さっきまでいた森の区画が根刮(ねこそ)ぎフッ飛んだ。

 地面に着弾してない、空を掻いただけの鷲の爪。

 力こそ(パワー)、突き出す拳の風圧すら武器になるってか?

うるせー莫迦! 戸〇呂80%ってレベルじゃねーぞ!

 空中戦? 冗談だろ? あんなバカデカイ双翼(つばさ)持ってる

”空の化身”みたいなヤツと出来るか!

こちとらやっと宙に浮かぶようになったばっかりだっての。

 その間にも次々と樹幹の間から飛び出して巻き付く(かずら)

秒速で意識が追いつかねーから殆ど自動(オート)で飛び回ってる感じがする。

アレ、音ゲーとかパズルゲーでレベルMAXンなった時みてーな感じ?

一瞬で蔓に引っ張られた後の場所には

核弾頭でも爆裂したみてーな大轟音が響き渡る。

マジで(ワン)ミスで躰が木端微塵になる緊迫。

(ヘソ)の下がゾワゾワ来るね恐怖が良い感じの刺激物(スパイス)になって。

ヤッベ、オレ戦うより「逃げる」事の方が向いてるかも、

エグイ状況なのに無駄にテンション向上(あが)ってるわ。


 うおおおおぉぉぉぉぉ! クモ男(スパイダー・マン)蜘蛛男(スパイダー・マン)蜘蛛ですが(スパイダー・)なにか(マン)

 一つの蔓で数百メートルは飛んでっからな、

爆風の余波を浴びるくれーでダメージは然程無い。

しかし軌道もいちいち変えてんのにいまいち千切(チギ)れねーな、

違法公道レース漫画の後半戦みたいになってやがる。

対向車来たら一巻の終わりっていうアノ〇〇みてーな話。

 俯瞰で横から見たら蔓に包まれた女が空中に顔出すと同時に

地面が爆発するっていう、相当シュールな「絵」になってんだろうな。

緊迫感ねーけど女の腰に捕まって「うわぁ!」とか言ってる

ラノベ主人公よりは100億倍マシだろ。

ブッちゃけいついかなる時も「気合い」って

大して役に立たねーんだよ。

”想い”があるから強くなるってのは

ラノベのおっさんの頭ン中だけだわ。


――クソッ! 無限に続くもんじゃあねぇのは解ってるが

森「抜け」ちまいやがった。

地帯からは抜けてねーけどあちこちに「空白」は

どんな場所にでも存在する。

「狙って」逃げたわけじゃねーから相当広いなこの平地。

躰が反転してて空中から地面を見上げる形だけど

もう蔓切って着地しちゃった方が良い。

 連鎖反応で相当スピード乗ってたんだな、

(オレ)の躰でも地面がキャタピラみてーに抉れる。

「鬼ごっこ」は終わりか、

オレの命って言い換えた方が良いのかもしれねーケド。

 轟音、次いで鳴動。

 上空を覆い尽くす黒い影、陽の光さえ遮る

正に黒天と云って良い威容だ。

 一旦頭上に大きく飛び上がったから加速のエネルギーは消えてる。

でもただ着地しただけで中級地裂(グランド)と同等の地響きが

大地を荒らした。


『――――――――――――!!』


 凄まじい形相とは裏腹の無言の圧威(あつい)が大気を揺るがす。

 同時に巨躯(からだ)の至る所から

荊だの蟲だの()みだの入り混じった不浄の汚泥(ヘドロ)

熱い鮮血と共にボトボトと滴って大地を(けが)した。

 我ながら相当エグイな原初魔導【太 陽 ニ 脊 ヲ(アサイラム) 向 ケ テ(・ガーデン)落 日(エレボス)

 外表や体内は無論、血液や体液まで腐って爛れちまってるわ。

 獣帝とか云われるコイツだから重傷程度のダメージなんであって、

他の魔物だったら多分腐敗体(ゾンビ)んなってんだろ?

ってかその前に『沼』から抜け出せねーよ!

 クソッ、状況的には相当有利な筈なんだがな、

何だよこの「万全体(ばんぜんたい)」を相手にするよりヤバイっていう危機感は。

もう()ぇケド金〇マ縮み上がるっていう

アノ感覚すら覚えるわ。

 さて、四の五のクダラネェこと考えられる贅沢もここまでか。


『 貴様ァァァァァァ!!!! この我に此処までの狼藉!!

言葉すら介さぬとは既にして(くる)うておるのかぁぁぁぁぁぁ!!!!!』


 正に大気が震撼するほどの獣の憤怒(ふんぬ)

 もうソレだけでD級以下の魔物なんか殺せるくらいの精神衝撃だ。

 本当(ホント)にダメージ通ってんのかよ? コイツ、

魔眼で相手の「状態」はより明確に解析出来る反面、

ソレを疑いたくなるような狂乱だ。


正気(まとも)で良い事あるのかよ?

深淵(ここ)』でも、『星界(ほか)』でも」


 コレは本音、駆け引きとか関係ない。

 何処(どこ)でも一緒だ――。

 まるで「弱い」事が最大の【罪悪】でも在るかのように、

正しかろうが優しかろうがクズ共に踏み躙られる。

 元の世界でも、この異世界でも。

 魔皇(オレ)に言うなよ、『神』に云え。

 この世界がクソなのはオレのせいじゃねぇ――。













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