Ж-10 英 霊 盟 約 ~If I'm Enveloped By Tenderness~ ②
バギャアアアアァァァッッッッ!!!!
突如標的を失った牛さんは大きな幹に激突するが
それをそのまま撃砕し藪に突っ込みながらも急停止する。
そして直上に逃れたオレ達を睨み付け
此処まで届くんじゃないかという荒い鼻息を噴出する。
「異能、『武芸者』、“八艘飛び” 」
カ、カッコイイ~。
やっぱ美形は何ヤっても絵になるね。
もうそれだけで危機脱出の詳細なんかどうでもよくなるのに
彼は律儀に解説をしてくれる。
「どうやら先の冒険者達に 「勝利」 した事に由り、
私の、 ステータスと呼ばれる総力が上昇し異能も成長、
「新出」 したらしい。
無論我が同憂、 布都の尽力の賜物だが」
「へぇ~、 でも、 勝利?」
アイツ等ブッ殺したのオレだけどね。
いいの? ソレで。
「私の種属特性、 『英霊盟約』 に拠り、
「同胞」 ならば誰が斃しても自動的に力が加増されるらしい。
“英雄種” ならば止めは自分が刺さねばならないらしいが。
距離は事実上無制限で、 時間的な制約もないようだ」
フ~ン、 RPGでよく有るアレ?
高レベルの敵を味方が倒せばレベル1のヤツも
上がりまくる、 みたいな。
でも同胞? 同朋、 ね。 フフ~ン。
「兄弟……」
「もうそういう認識で構わんだろう」