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【ZODIAC PARADOX EXTREAM/CHAOSPHERE!】 ~戯題・愛のままにわがままに 魔皇少女は異世界に屈しない!~   作者: 沙波羅 或珂
【第三章/冥 獄 の サ タ ナ エ ル】

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Ж-76 魔 隷 創 成 ~Crimination Orb~ ⑨



 カリムから渡された斧を「片手で」持ってトコトコと入り口のドアを開ける。

 いつもの4人と護衛クンはびっくりしたみたいだが

オレと相方他優秀組は想定内、

相手の魔氣(マギ)の強さくらい感じ取れるようになっとけよ。

ソレが出来ないヤツは例えAランクの素質が在っても途中で死ぬ。


「はあ――ッッ!!」


 今までのサーシャからは想像もつかない凛々しい喊声(かんせい)

カリムの大斧を外に投擲(とうてき)した。

あ~!! とかいう所持者の声に被さって村から消える回転する鉄塊、

()いでバキバキと森の向こう側から木々の断ち切れる音が次々に聞こえる。

その倒木が地面を踏み鳴らす前に大斧は弧を描いた軌道で

再びサーシャの細い右手に収まった。


「フッ――!」


 受け止めた激烈な反動を斧を回転させて()なす。

異業(アルター)” ってこんなに凄ぇのか?

こりゃサーシャじゃなくてもイキり散らかすのは無理ないかも、

「他人の力」でマウント取ってくる〇〇(ピー)ラノベ女も多いからな。


「ありがとう御座います。 いい武器ですね、コレ」


 トコトコと中に戻って来て手渡す笑顔はいつものサーシャと変わりないモノ。

 心配は杞憂に終わりそうかな?

ただ力を行使する時はちょっと凶暴になっちゃうみたいだね、

【暗黒魔剣士】の副作用ってヤツかも。


「ひ、 姫! お、 俺にもやってくれ!

生業変化(ジョブ・チェンジ)”!

サーシャがコレだけ強くなったなら、

俺だってもっとパワーアップして姫の役に立てる筈だぜ!」


「わ、 私も!」


「ファムも!」


「あぁ~、 無理」


 手をヒラヒラさせて申し出を却下する。

 そう来るんじゃねーかと想って既に宝珠(オーブ)とアビスに相談済み。

業積(カルマ)” が足りてねーよ、 一度なったらそう簡単には変えらんねーってのが、

正に “(ごう)” だな。


「オレが魔皇で、 サーシャ達がハーフ・エルフってのが変えらんねーみたいに、

一度なった 『生業』 は元に戻らない。

おまえらも後先考えずその“神々の恩恵(システム)”に飛びついたんだろ?

なんとなく続けてれば「上」に行けるとか漠然とした展望で。

だからその『神』の “封錠(ロック)” がおまえらの魔那(マナ)に掛かっちまってるんだよ。

魔王や魔皇が干渉出来ねーように。

成長(Lv up)』っていう甘いエサをブラ下げて冒険者を誘き寄せるのはその為さ。

知らず知らずの内に 【神の下僕】 を増やすためだ。

だからハーフ・エルフだけ蔑ろにされてんだよ。

既に『神』に()()()()()()()存在だからな」


 ほら、 おまえらに宝珠(オーブ)近づけても何の反応もしねーだろ?

 魔皇のオレが行使してて恐らく創ったヤツも 『神』 じゃねーんだよ。

 自覚はねーだろうが、 人類(おまえら)全員【神の奴隷】だ。

 オレらの世界でもそうだったけど、

“自覚が無い奴隷” ってのは大量にいるんだよ。



挿絵(By みてみん)




今日はここまでです。

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