Ж-75 従 魔 変 貌 ~Servant Metamorphose~ ⑦
『ミウは、 ミウは、 ママみたいに、 なりたかったの。
だから、 ママの魔氣と魔那いっぱいのんで、
はやく、 おおきくなりたかった』
そんな気持ちやアレやコレやで見事 【星喰者】 とやらが発現したわけか?
アビス曰く他の異能も発現する機会はあったんだけど
『本人の意志』 が強いと意図的にキャンセル出来るんだって、
目的の異能取得のために他の異能全部ガマンするみたいな?
そんなこんなをオレが知らない間にアビスと相談してたらしい。
コイツは魔皇の “眷属” で 『逢 魔 ヶ 刻』 で
魔那が繋がってるからね、
だからアビスとの “導線” があっても不思議じゃない。
《♪~♪~♪~》
おい、 人の頭ン中で口笛吹くな幻精霊。
昔の女声優ばりにヘタクソなんだよ。
「魔物が 『人間』 になるという逸話は
各星界に幾つか在りますが、 実際に眼にするのは初めてです。
ワタシの事が解りますか? ミウ、 さん?」
『ソフィア☆』
「じゃあわたしは? 解るかな? ミウちゃん」
『サーシャ☆ ママのつぎのつぎくらいにすき☆』
「よかった、 覚えててくれたんだ」
そんなこんなで女子同士はなんか打ち解けるのが早い、
着てるモンもあんま気になんねーのかもな。
ってかミウってメスだったのな、
まぁそんなカンジはしてたけどさ
スライムに「性別」あるのかしらねーケド。
「ともあれ、 一安心ではないか?
布都の助言に寄れば、
戦闘力は大幅に向上しているそうだ。
どうやら元となった肉体の魔力が相当に高かったらしい」
背後に来たリュカがそっと左肩に手を置いた。
考えてた事はお見通しか、 相方にも懐いてからなアイツ。
チト一人でなんとかしようと自惚れ過ぎたか、
オレの肩にいるだけでアイツは別にオレのモンじゃねーからな、
阿呆のラノベ主人公と違ってソコは勘違いしませんよ、 と。
「でもまぁ、 これで周りは女ばっかだな。
〇〇〇〇のおっさんの考えた〇〇ラノベみてぇ」
「君が筆頭ではないのか?」
「イジめるなよ、 兄弟」
主人公じゃない女が表紙の第一巻を思い出しながら
頭をガシガシと掻く。
考えなきゃいけない事が山盛りな所に
最後のダメ押しが加わって2~3日眠りたい気分だ。
『おやかたさま~☆』
そんな気分をよそに身体を得たスライム娘がリュカに抱きついてる。
流石に大人の対応、 「立派になったな」 等と言いながら
そのピンク色の髪を優しく撫でている。
顔真っ赤にして胸の感触が~とか抜かしてる
〇〇なラノベ主人公の下卑た所は微塵も無い。
「流石に、 それは、 看過出来ません」
ソフィアが杖を置いて一生懸命引き離そうとしているが
地力が違うのかあまり効果は無いようだ。
コレだけでもその成長の一端が伺える。




