Ж-75 従 魔 変 貌 ~Servant Metamorphose~ ⑥
でもってアビス曰く今ミウが行使してる
【星喰者】って異能は攻撃系じゃないけど
極めて珍しい異能なんだって。
珍しいだけで全然使えねー能力とかあるけどな
〇〇ラノベには、
何で敵が大挙して狙ってくるのか解らねーほど。
閑話休題。
でもってコイツは一回死んだりオレの魔導で甦ったり
『逢 魔 ヶ 刻』 で繋がったり
魔皇の魔氣と魔那一番近くで吸収してた故に
なんだかよく解らない “変異” を遂げて一つだけだけど
『特質異能』 も発現したんだってさ、
元がスライムだけど “稀少種” だってのも含めて。
でもってその能力は、オレの 『貪喰』 と似てるけど
決定的に違うのは――。
『ママ――』
あぁ、 終わったか。
取り敢えず大体の事はアビスから聞いた。
『貪喰』 が魔氣主体の吸収能力なら
【星喰者】 は魔那主体のソレなんだって。
つまり相手の “種族” によってその特性を保持したまま
肉体を再構成出来る。
簡単に言えば人間喰えばその 『人間』 になれるって事。
姿も形もある程度ならイメージ通りに変えられる、
「性別」 までは無理らしいけど。
でもまぁ、 細かい事は一先ず置いておこう、
結果出ちまったし元のミイラに戻す方法とかも知らねーし。
周囲の連中も驚きつつも解ってると想うが
やっぱ 「指摘」 すんのはオレか?
キャラ的に消去法か?
こーゆー時ズリィよな皆、
オレなら何言っても許されると想ってやがる、
羞恥心とか罪悪感とかなさそうだから
まぁ否定はしないけどさ。
『ママ――』
客観的に見れば途轍もなく美しい少女が
ベリー色の瞳をこちらに輝かせていた。
ほんの数分前までこれが「スライム」だったとは誰も思うまい。
身に纏ってる甲冑は亡骸に絡みついてた「鎖」を再構成したのか?
アビスが “宵闇の衣” を創ったのと同じだな。
でもなぁ、 それでもなぁ、 どっちかっつったら
喜ぶべき事なんだろうけどなぁ、
ミウ、 おまえ――
「 “パンツ一丁” じゃねーか!」
『みゅう?』
キョトン、 とするピンク髪の少女と裏腹に、
背後から 「よく言った」 という感情が無言ながらも伝わってくる。
おまえらなぁ~、 自分で言えよ、 戦闘中は過保護なのに
こーゆー時だけオレを頼るんじゃない。
《CAUTION!!》
やかましい! そんなこと解説しなくていいんだよ!
おまえもオレに便乗してるじゃねーかこの〇〇精霊!
今日はここまでです。