Ж-75 従 魔 変 貌 ~Servant Metamorphose~ ③
『貪喰』
漸く、 漸く【深界層主】の捕食に掛かれる。
この異能は死体か瀕死の肉にしか掛からない反面、
魔氣の消耗が少なくて良いよね。
相方の業で五体はバラバラに飛散しちまってるんだけど
この異能は攻撃系じゃない代わりに有効範囲は広いから無問題。
潰滅した5000の軍の亡骸も “拾った” 事あるし。
ってなわけで炎の巨獣の亡骸が撹拌されて
オレの躰の裡に呑み込まれていく。
流石にいつもと違って魔那の濃度が重いね、
臓腑の奥までズシンってくるカンジ?
疲れてるからかかなり気持ち悪ィ、
身体の中がむず痒いってか痛痒く感じる。
《CAUTION! 『貪喰』 由り
【號魔異能】 “ケルベロス”
『焔烙印異能』 “ヘル・ブレイズ” “インフェルノ・ヴェール” “ラーヴァ・トライン” 獲得!!
以下、 主の御疲労を鑑み略式とさせて戴きます。
「黒炎牙」 「紅蓮咆哮」 「狂走爆華」
「燐気燃焼」「深炎眼」 及び……》
何で嬉しそうなんだよおまえ?
別におまえが強くなるわけじゃねーだろ?
あぁ~、 しかしまたなんかいっぱい手に入ったけど
正直使いこなせっかな?
スキル100個以上あるのに使うの10個以下とかいう
〇〇ラノベみたいになりそ。
「名前」も死ぬほどダサかったりするしな。
漢字と英語がゴチャ混ぜになってたり。
でもって絵的にグロイけど 「吸収」 しなかった
魔獣の躯の一部がボトボトと落ちる。
角、 牙、 目玉、 毛皮他エトセトラ、
ソフィア曰く格の高い魔物の “遺骸” は、
優れた武器、 防具、 魔道具の 「素材」
そして大きな魔導の 「触媒」 になるんだってさ。
『貪喰』 は 『思考超加速』 の次くらいによく使ってる異能だから
“一部を残して” 吸収するくらいの芸当はもう出来る。
だから残ったグロイのは亜空間に入れて保管しておこう、
腐んないのが良いよねこの魔導。
“泡沫” じゃそうはいかねーんだわ
魔道具の異空間でも “時間は流れてる” から。
今日はここまでです。