Ж-74 獄 炎 回 廊 ~Hell Blaze Inferno~ ⑥
灼熱の空間を切り裂く一閃。
チリチリと髪を焦がす猛火を一瞬忘れるほどの精彩。
断頭を想わせる撃ち堕としの飛翔斬撃が
燃え盛る巨獣の横腹に入った。
頭を狙わなかったのはその敏捷性で直撃が避けられるのを防ぐため。
流石にデカイから幾ら速くても咄嗟の時にはそう精密には動けない。
『GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
GAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHH
―――――――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!!!』
初めて噴き出る魔獣の叫声、
声まで燃えてんのな、
まぁ脇腹に “反属性” が思いっきり入ったから当たり前だけど。
特筆すべきはリュカが付与魔導の前に炎属性解いてた事だね、
細かいけどそうじゃなかったらああもデカイヤツが
こうも仰け反らないよ、
オレがサーシャとミウの位置を確認出来るくらい。
うん、 端っこで上手く逃げてるね。
リュカが真正面から撃ち合ってる分、
こーゆー所はオレがちゃんとやらないと。
ん――。
「我が伴侶! そしておひいさま!
よくぞ敵の “注意” をここまで引き付けてくれました!
心より感謝申し上げます!」
オレより遥か後方にいたソフィアがロッドで宙を滑っていった。
ダメージ与えたとはいえリュカと深界層主に比肩するくらい近づいてる。
ヤバクね? と想うのも僅か、
腰かけたロッドから降り宙に 「立った」 彼女は、
そのまま杖を両手に構え全身から蒼い魔氣を放出させる。
“二重魔導”?
脳内のアビス曰く二つの魔導を同時に行使する
『賢者』 の 特性異能。
だが異なる魔導を 「時間差」 で操れるというのは、
あの若さでは恐るべき才能とのコト。
コレはオレの “想念詠唱” でも出来ない、
二つの魔言が混ざったら頭オカシクなるわ。
「 “大魔導” 星界印章第六権発動――!」
いつも違う雰囲気。
背後に展開される、 無数の等身大魔法陣。
『海 王 蒼 波 濤 召 現 魔 導ッッッッ!!!!』
今回はここまでです。
ボスバトルになると長くなりますね……('A`)
まぁ『ジョジョ』みたいなモンだとお思いください。




