Ж-68 深淵ノ宝珠 ~Dimension Orb~
白夜と見紛う光芒が空間を疾駆る。
しかしその色彩は荒天が後の蒼空の光景。
『英霊』 が行使する無二の異能、 ソレが深き森の “界層主” を
斜めから真っ二つに両断した。
「す、 凄ェ……!」
「流石は、 我が伴侶……ッ!」
賢者の少女も、 一応魔皇であるオレも、
その余りに凄絶さに凡百な感想しか出ない。
でも、 色々削ったとはいえ巨大な “界層主” をたったの一撃で、
しかも着こんだ甲冑ごと!
ソレは今オレが行使するどんな魔導でも不可能、
単純な殺傷力ならオレの最大魔導、
【幾 千 ノ 星 ニ 抱 カ レ テ】をも凌ぐ威力だ。
『GUUUUUUUUUUUUUAOOOOOOOOOOOOOOOOO
―――――――――――――――――――――――!!!!!!??????』
フフッ、 斬られた本人 (?) が一番信じられねーって貌してやがる。
安心しろオレもだよ、 だから驚いた者同士オレがトドメ刺してやる。
他のヤツに殺られるよりマシだろ? 知らねーけど。
~§獄彩蝕、穿断哮魔、汚穢に塗れし荒塵ノ空§~
~§誓文改竄、恒常裁可、偽顕、劫掠、聖従使途§~
脳内で流れる 『想念詠唱』 完全に出遅れたけどたまにイイよね?
『~§ヘイル・サイ・クォ・ビ・ギィッチ§~ ~§ユ・ヲ§~』
トドメ刺すだけだから 「途中」 はカット、
まぁ胴体と下半身がさよならしてるから
放っときゃ死ぬんだろうけどソレじゃもったいない。
グアギギギギギギギギイイイィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!
何も無い空間にビッシリと生えた薄白い 『手』
ソレが強固に魔物の巨躯を固定する。
コレは本来『拷問系』 の魔導だけど
ソレを 「応用」 すればこんなコトも出来る。
元気な時じゃ多分振り解かれたろうけど、
瀕死の状態ならもう暴れるコトも出来ない。
ってなわけでもう大丈~夫だよ、 どこぞのウザイ萌えキャラ風に。




