Жー65 灰 燼 堕 牙 ~End of Sorrow~ ④
「アノクソ女、 隕石が顔出した瞬間魔氣の行使を切り替えて
テメーにだけ 『防御膜』 張ってやがったな。
「隊列」 からは場所ズレてたしオレも狙ってなかったから
直撃は免れたみてーだ。
その効果範囲を少し拡げてやれば周りの「御付き」も助かっただろうに。
人間ギリギリの処で『本性』出るってのは本当だな。
ヤった張本人が言う事じゃねーケドさ」
不意に彷徨う視線。
叫喚の狂宴は終幕を迎え、
後には人間の 「原型」 を留めていない残骸が
散らばるのみとなった。
「同情はしねーぜ、 攻めて来たのはテメーらだ。
立場が “逆” だったら、 爺ちゃんやサーシャはもっと惨い目に遭っていた。
あんまり苦しまずに死ねただけ、 感謝するんだな?
おまえらがしようとしてた事よりは、 遥かにマシな筈だ」
次はこんなモンじゃすまねーぞ、 クズ共――。
屍の山を抜けて、 魔皇の視線が射抜いたのはまた別の存在だった。
光輝と暗黒の交錯。
嘗て幾度となく繰り返された、 勇者と魔皇の邂逅で在った。
NEXT PHANTASM…Ж
次回で【第二章】も最後です。
そして『毎日更新』も終わりとなります。
詳しくはラストの後書きに記載します。




