Жー65 灰 燼 堕 牙 ~End of Sorrow~
~§編ゆみ揺る光芒、 標と成り、 彼方へ§~
聖女の捧げ持つ両掌に、 聖光が灯った。
~§虚空にさざめく其の惑いを、 浄して往くは此が奏情§~
彼女を擁する守護兵団も、 今は一時、
その女神と見紛う聲に現実を喪失する。
『古代語魔導』
嘗て、 天に浮かぶ悠久の都に在ったとされる
太古の【魔ノ法】
“神官職” でも極一部の者しか遣う事を許されず、
皇族の者でも限られた者しか奉呈を赦されないが
“水晶姫” シルフィールは、 決してその血統の縁のみで
秘奥を授けられた者に非ず。
~§只一つ願うなら、 陽光に耀う此の刹那を§~
~§唯一つ乞がうなら、 双無き同朋 其の久遠を§~
掲げた両掌から滔々と沁み出る 『聖氣』
宛ら十一星界を司る女神がその宝瓶を傾けたが如く。
悪しきを浄化し不浄を滅するが如く、
その色彩に彼女を守護する者達の士気は嫌が応にも高揚る。
~§現世を、 幽玄を、 大洋を、 蒼穹を§~
~§今、 越えて往かん――§~
『天 翔 け る 光 彩』
水晶姫の慈しみ由り発現する悠久の神聖魔導。
其の聖光が腐蝕した魔の沼の畔に靡いて跡形もなく浄化せしめる瞬間。
ソノ遥か遠方――。
女貌の巨獣が頭頂にて、 現世の魔皇が太古をも剋する超古代、
【原初ノ魔導】を完成させていた。
~§アイ・ル・ニィ・ソ・ジィ・グ§~
~§ソル・タイ・ル・アイ・ニ・シィ・ヴィ・ガ・ソ・ウ§~
~§オル・リヴィ・ヤヌ・ニ・ガ・コオ・ル§~
~§ホ・ロウ・ウ・ルゥ・ジィ・ザ・ラ?§~
~§ア・ニュウ・ニィ・ギィ・シガ・ソ・ロウ§~
~§ア・リュウ・レィ・グィ・シガ・ソ・ロウ!§~
『共に奏でん、 堕天の叫喚!』
極限に慟哭した魔氣の喚起に拠り変質した魔那の意図が、
頭上、天空を越え大気を抜け彼方へと突き抜ける。
掲げし両の腕に同期して降り墜とされしモノ、 は。
そう――。
【幾 千 ノ 星 ニ 抱 カ レ テッッッッ!!!!】