Жー62 蒼 い 銀 嶺 ~Genesis of Curved~
搗ち合う無数の剣戟、 どこぞの莫迦が書いた
キンキンキンキンキン! なんて陳腐な音ではなく
その衝撃が骨までクるわ。
細剣、 長槍、 断斧、 を一振りの大剣が
流麗に去なしている。 真正面から受け止めているワケではないので
連撃が続かない。
パワーやスピード以前に 『技』 で負けているので
異能が在ろうと関係無い状態だ。
ソレが解ってない阿呆がまた一人、
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!
“地裂剛、” ぐぁ!?」
小石を指で弾いて顔面にブツけてやる。
思い通りにいかないからって
すぐに “異能” ブッ放すの止めろって言っただろ。
あと 「うおおおお!」 がいらねーんだよ。
何がクるのか莫迦でも解る。
ふむ、 狼人ガルフの戦いを見るのは初めてだが
意外と真面目に堅調な立ち回りだね、
派手さはないけど負け辛い槍捌きだ、 少々荒さは残るがね。
セリナは、 まぁ、 可もなく不可もなく。
オレが言った事を実直に守っちゃいるが
身体に染み付いた 「動き」 ってのはそう簡単に取れないから
習性と変化の板挟みで返ってぎこちなくなってる。
まぁ頑張れ頑張れ、 そう簡単に強くなれたら
誰も苦労しねーっつーの。
「異世界チート」 とか〇ねって想っとけばいーよ。
「違いますですニャ! ダガーの柄はもっと深く、
怖がって踏み込みが浅いと返って危険なのですニャ!」
「は、 はいっ!」
その端では猫耳のファムが耳長のサーシャに武器の扱いを教えている。
本人たっての希望でオレが 「別にいんじゃねーの」 と
適当に返事したらなんか本格的になってた。
モノになるのに何年掛かるか知らんが
「楽して良い目みよう」 とか考える
〇〇のラノベ作家よりは百億倍マシだ。
後でオレが遣わない魔導でも譲渡してあげるかね?
『万魔殿』 に 『創造者』 掛けりゃイケると想うんだけど。
≪CAUTION!≫