Жー57 奴 隷 遊 戯 ~Lightning Volt~ ⑤
「どうどう、 コイツも “ハグレ” ?
おまえが異能で抑えてんの?」
出た当初は激しくイキってたけどギードが手を翳して
何事か唱えると大人しくなった。
無遠慮に触ったオレに顔を寄せて来るくらい。
「あぁ、 獅子宮じゃねぇ、 わざわざ宝瓶宮まで出向いてみつけた希少種だ。
オレの “封具” 『デモンズ・スクエア』 は
B級以下の “ハグレ” なら無条件で捕獲出来る能力がある。
A級以上でも半殺しにすりゃあ捕獲は可能だ。
『使役系』 の素質がねぇと使えねーがな」
珍しく口数が多いな、 好きなコトならよく喋るタイプか?
だがこの能力は大分使えるな?
スフィ公だけじゃなく他の魔物を捕獲して森に放っておけば
充分村の守護者に成り得る。
初日に喰われ掛けたワームも今のオレなら倒せそうだし。
ならヤってみるか――。
「 “千魔隷属” 」
擦り寄って来るユニコーンの頬に手を当て異能を行使。
瞼の裏で発光する刻印に連動して掌の魔氣が弾ける。
ユニコーンは一度驚いたように嘶くと、
そのまま座り込んで頭を垂れ従属の意を示した。
「ほほお~、 『使役』 状態でも掛かるんだ、 この異能。
素の状態じゃたぶん無理だろうね。
本来は相当強いだろ、 この魔物」
「……勝手な事を。
一言に “ハグレ” っ言っても様々なタイプがいる。
先天的に群れねえヤツもいるんだよ。
だから殺さねーように削って使役するのが大変だった
って、 乗ってんじゃねーよ!」
「はいど~」
とサーシャを前に抱えて異世界乗馬を決め込む。
鞍も鐙もないけど全然暴れないから乗り心地は悪くない。
『アメリカ横断レース』 でも出場したくなっちゃうね。
その後ソフィアとファムが乗っても全く問題なかったが、
男は相方以外徹底して嫌がりセリナも乗せて貰えなかった。
あぁ、 やっぱりね。
清らかな乙女以外乗せないってのは本当だったんだ。
膝を抱えて落ち込む乙女の肩にそっと手を置いておく。
昼飯に旨いモン喰わせてやるからまぁ、 そう落ち込むな。
NEXT PHANTASM…Ж




