Жー57 奴 隷 遊 戯 ~Lightning Volt~ ③
「はい、 じゃ奴隷クン。 ちょっと良いトコ見せてみよう」
「あぁ~、 あぁ~、 解ったよ。
こうなりゃもう自棄だ」
朝食の後、 集落を出てすぐの場所。
【境界】 からはかなり遠い森の空白地帯にオレ達は居た。
樹々が開けて草花に蝶が飛んでるエアポケットみたいな場所。
本当に近いからフルメンバーに加えてサーシャもいる。
『神託』 に出て来ちゃってるから不本意ながら
一番安全なのはオレの傍なんだよね。
何かしらんけど上目遣いで一緒に来たがったから
今はファムと一緒にミウを投げ合って遊んでる。
まぁ今日は「戦い」に来たわけじゃないから別にイイでしょ。
魔物が出てきてもオレか相方が蹴散らせるし
『育成』 も出来るかもだしね。
おまえのモノはオレのモノ。
元の世界じゃかなり最悪なフレーズを思い出しながら
“泡沫” のブローチから取り出した魔道具を幾つか渡す。
溶けた蝋が絡み合うような装飾が入った直方体の小箱。
この中に生きた魔物が入ってるんだから
“封具” とやらは驚きだ。
カリム達は身構えるがコイツはオレに攻撃出来ないんだがね。
解ってる相方とソフィアは武器は持ってるけど平然としてる。
如何にも不承不承と云った面持ちで奴隷クンが
髪をバリバリやってるからオレにもイタズラ心がチラリ。
「ぐあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!?」
予期せぬタイミングで流れた電流にオレもビックリした。
「いきなり何しやがんだアンタ!
何でやった本人がちょっとすまなそうな顔してんだよ!?」
オレの手にあるのは小板型の小さな魔道具。
「隷属の首輪」とセットになるモノで表面には
楔型の 「呪印」 が彫られている。
コレに魔氣を込めると首輪に込められたソレに同調して
効果を発揮するんだって。
最悪魔氣は込めなくてもちょっと強く押すだけで発動するんだってさ。
威力の加減は出来ないらしいけど。
ソフィアから説明は受けてたけど(アビスも脳内で)
まだ実際に使ったコトはなかったから
電撃が流れる「呪印」を
ちょっと 「お試し」 で押してみた。
まぁ最悪〇んだらその時はその時で。
だってオレ魔皇じゃん、 コイツ敵じゃん。




