Ж-45 白 き 闇 ~Absolute Justice~ ③
「あ、 あぁ、 Bラン昇格を機に、 少しメンバー増やす事にしたんだ。
ソフィアとガルフはそいつらと北に行ってるから心配ねえよ。
こいつはちょっと変わり者だけど一応魔導が遣えるから入れてやったんだ。
まぁ半分ボランティアみたいなもんさ。
育てたら面白そうって感じでな」
100点、 とは言い難いけどまぁ及第だ。
かなり甘めに見積もってだけど。
オレが魔導遣えるってのは言わなくて良かったな。
変わり者なんだから盗賊かもしれねーじゃん弓矢使いかもしれねーじゃん。
「おい? 大先輩だ。 挨拶しろ」
カリムがそう言ってオレの肩を叩く。
10点減点。
ソコは 「こいつ人見知りだから」 とか言って誤魔化しとけよ。
何の為に猫幼女と手ぇ繋いでると想ってんだよ?
いやファムの単純に嬉しそうだけなのも減点要因だけどな。
「あ、 あぁ、 シ、 シ、 シ、 シエルって、 言います……
え?、 あ、 あ、 の、 よろし、 く、 お願、 い、 します、 です……」
「お、 おお」
ほらぁ~、 おまえの仕切りが悪いからオレがウザ系の内気女キャラ
やらなきゃなんなかったじゃん、 おっさんちょっと引いてるじゃん。
今の言葉の中に 「これ以上質問するの面倒」 って思わせるテクが入ってたの
気づかないだろうなこいつじゃ。
はきはきフツーに答えたら次は
「じゃあ種族は?」「職業は?」「得意な異能は?」「いま何歳?」
って矢継ぎ早に質問が来るんだよ。
コレは異世界も元の世界も一緒!
「アハハ、 悪ぃな。 元奴隷で色々あったみたいで、
上手く喋れねーんだよ」
「裸足なのも、 その所為か?」
意外と目敏いな、 このおっさん。
「ああ、 こっちの方が落ち着くんだってさ。
買ってやるって言ってもいらないの一点張りでさ」
「……そうか」
やべっ、 おっさん近づいてきた。
「おい嬢ちゃん。 こいつらとは顔馴染みだ。
困ったことあったら遠慮せず言ってきな。
こう見えても顔が効くから結構頼りになると思うぜ」
顔を覗こうするどころか躰に触れようともしないから
良い奴だな、 このダインっておっさん。
他のメンバーもちょっと笑み向けてくるのとかいて、
人望も有るようだ。