表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

172/400

Ж-43 炎 劾 双 劫 ~W・Tyrant Fifth Flare~ ⑤





「そんなモンまで、 おまえが背負い込むこたぁねーよ」


 カリムが器用にオレを担ぎ直しながら肩をポンポンとやる。

 あ? 一体何言ってんだ?


「そ、 そうよ! 姫が魔導で炎を喰い止めなかったら、

火災が無差別に拡がってもっと多くの人達が死んでいた。

殺したんじゃなくて犠牲を最小限に喰い止めたのよ、

自分が立てなくなってまで」


 え? そーゆー解釈?

 罵倒や罵声の一つや二つは覚悟してたんだけどな、

さっきオレが散々飛ばしてただろ。


「ファムは、 難しい事は解りませぬが、

村に残ったガルフやソフィアを助けてくれて感謝してますニャ。

姫しゃまが、 ハーフ・エルフのお爺ちゃまや子供達を護ろうと

一生懸命だったのは解りますですニャ!」


 ハァ~、 揃いも揃って底抜けのお人良し揃いかよ。

 オレらの世界じゃ犠牲者出たら、 その可能性が在っただけでも

大多数に吊し上げ喰らってもオカシクないんだぞ。

安全地帯で無責任な正論(キレイゴト)吐くだけの莫迦共にだけど。

 でもまぁ、 礼言っとく処なのか?

でも相方じゃなくてオレだからな。


「魔皇(かば)っても、 イイ事ないぜ」


 それだけ言ってフードを被り直し、

カリムの肩で不貞寝(ふてね)を決め込む。


「魔皇じゃねーさ。 物凄ぇ魔導が遣える仲間、

ノエルを称えてるんだ!」


「ええ!」


「ハイ、 ですニャ!」


 おまえら、 よくそんな恥ずかしいコト躊躇なく言えるな。

聞いてるこっちがムズ(がゆ)くなってくるわ。

 どーでもいーけど(ケツ)触んな。

そーゆー趣味はねーって言っただろ。

 宙ぶらりんの状態でカリムの後頭部に肘鉄をかまし

森のギルドへの道を急がせた。



挿絵(By みてみん)



 NEXT PHANTASM…Ж





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ