Ж-5 解き放たれしモノ ~Breathless Night Slider~
そんなこんなでリュカ君と一緒に上へ上へと昇ってるわけだが
オレ達も考えなしに昇ってるわけじゃないよ。
最上階で詰むの解ってるし王様を人質にするわけでもない。
ただ道中の騎士が邪魔で中々 「条件」 にあった 「部屋」 が
見つからない、 ってか入る暇がない。
それでようやくそいつらが疎らになってきた階層、
7~8回は昇ったかな?
寡兵を城の中等分に配置するなんて出来ないからね。
素早く左右に分かれて目当ての 「部屋」 を探す。
チッ、 ダメだ、 ダメだ、 惜しいが今一つ。
そんな五頭の寄生生物に負けるフラグを立てながら各部屋を物色、
大正解! とはいえないまでも 「条件」 にギリ見合う場所を発見した。
いきなりバン! と入ってきて唖然とする部屋の主を無視して
室内を物色する槍持ちの二人組、
片方が美形でも完全なる不審者である。
目的の場所に立ち、 何か居住者に向けてすまなそうにしてるリュカに問う。
「どう? イケそう?」
「いけるいけないではなく、 ヤるしかないようだな。
状況的にもう限界だろう」
「じゃあ」
「じゃあ」
やりますか、 やられますか、 と阿吽の呼吸で頷き合い
ドア近辺まで後退する。
「な……! い、 一体、 何者なのです!? 貴方達!?」
目的のために、 完全に存在を空気にしていた
その人物がようやく口を開く。
瀟洒な撫子色のドレスに贅と巧緻の限りを尽くされたティアラ、
丁寧に結われた金色の髪と開いた胸元、
正に 「ザ・お姫様」 というイメージの権化のような少女がそこにいた。
≪CAUTION! 準敵性個体、 聖アストレイシア皇国第三王女、
シルフィール・ティア・アストレイシアと認識。
王族でありながら神聖魔導の扱いに長け
先の大戦、 グリュナイル戦役では王女の身で在りながら戦線に立ち、
その凛然とした姿から “水晶姫” の二≫
「「興味無しッッ!!」」
厳然とした声で脳内の声を遮る。
フラグ・クラッシュ大上等!
『ボーイ・ミーツ・ガール』、 〇〇〇〇え!
「survival dAnce」のライブver.が微妙過ぎるんじゃ!
大体 「日常」 でモテねーヤツが 『非日常』 でモテるわけねーだろ!
女にモテたかったらモテるように 「努力」 せい!
取り敢えず痩せろ! あと身だしなみに気をつかえ!
〇ニクロでいいから!
こちらの都合で投稿が遅れました。
「今日のみ」午後6時と午後7時の投稿となります。