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Ж-4 万 魔 殿 ~Anti Magic Dispel~





 通路を遮断し遠巻きに(槍の間合いで)オレ達を取り囲む騎士の一団。

(まと)っている甲冑(かっちゅう)は、

如何(いか)にもザ・ナイトというべきベタなもの、

マクシミリアン式フリューテッド・アーマーとかいうヤツ。


「某鷹の団長が捕まった時みたいだね」


「裏口から逃げるという選択肢はなかったのだろうか?」


 両脇の通路が封鎖されてるので背中合わせに言葉を交わす。


「でも〇リフィスなら、 一人で突破出来たと想わない?」


「心が折れていたのだろう。ついでに(つるぎ)も折れていた」


「あぁ、そっか」




CAUTION(コーション)!、≫




 肝心な部分を失念していた事に苦笑しながら

オレ達は同時に動く。

 まずリュカ君が素早く残った扉の縁に “螺旋勁(らせんけい)” を撃ち込み、

(はず)れた扉をオレが(かつ)ぐ。

 さっきより一連の流れがスムーズだ、

きっと元の内臓が良いんだろうね。

 でもって。




≪CAUTION!≫





「死にさらせえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――

――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!」


 正に外道(魔皇)! といった凶悪な面持ちで眼前の騎士共に

ソレを投擲(とうてき)する。

 フォームもへったくれもない力任せのブン投げだが、

それ故に無茶苦茶に回転しながら

でも地面と平行に飛んでいった鉄塊は、

尖鋭(せんえい)に構えられた槍を()ん曲げ盾を(ひしゃ)

鎧を歪ませながら一群にブチ当たる。

 勝った! 第三部完! という悪の権化のようなテンションで

オレ達は崩れた包囲網を突破し豪奢な宮殿を猛進する。

 一応後方でブッ倒れていた騎士から損傷軽微な槍も拝借、

まぁ武器くらいあってもイイでしょ?


 背中から何かガチャガチャ聞こえるけど無駄無駄無駄。

そんな重装備、 ()()()()()特化してても

「追跡」 には向いてないでしょ?

 そんな事も解んないの? 

 バカなの? 死ぬの? 〇〇〇(ピー)なの?

 何で生まれてきやがった!? という口の悪さで長槍を(たずさ)えた少女、

もといオレが王宮内を暴走する。


「で、どうする? やっぱ 「下」 ?」


 隣を疾走するリュカ君に向けた問いは勿論

脱出してきた地下に戻る等という意味ではない。

 RPGで城の出入り口と言ったら当然 「下」 南側だ。

無論この城の構造なんか知らないから

大外れの可能性も大だがアテもなく彷徨(さまよ)うよりは

幾分マシかもしれない。

まぁどうせ兵が大勢待ち伏せてるンだろうけど。


可動橋(かどうきょう)が、 上がっている可能性が有るな。

無論()()()、 の話だが」


 キャー、 イケメン! ヴィジュアル的な意味じゃなくて。

そうだそうだ、「堀」 が巡らせてあるかもしれない。

何なら河とか湖の中に立ってるかもしれない。

()()()()だから無根拠に平地にあるとか勝手に思い込んでたわ。

防衛目的なら当然あって(しか)るべし、

某〇撃の巨人とかも壁じゃなくて 「(ほり)」 なら大丈夫だったんじゃないの?

とか言われてたし。

 そんなコト抜かしてる間に野生の騎士が2体エンカウント、

得物は例によってハルバード、

屋内で 「長物」 は役に立たないってのに〇〇(ピー)なのかね?

 まぁ 「常駐(じょうちゅう)」 じゃないんでしょう、

今回の召喚で念のために外から召集されたクチかね?

そんなわけで華麗にスルー、 近くにあった階段を5段飛ばし。

フハハハハハ、 甲冑姿で真似できるのならやってみればイイ、

こちとらホラー映画でゾンビの(のろ)い歩調に合わせる

微妙なヒロインとは違うんじゃ!




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