Ж-27 戦 術 現 魔・壱 ~Blair Witch Accursed~ ③
「申し訳、御座いませぬ」
爺ちゃんは地べたに膝をつけ、 深々とオレに頭を垂れた。
「長老!」
「長老様!」
護衛クンとサーシャが困惑してるけどオレも似たようなモン、
この展開は読めなかったな。
「本来は我々が、 否、 ワシが行っていなければならないコトだったのです。
我等を迫害する者から逃げて、 逃げて……
一切の叛意を示さねば、 見逃してもらえると、 卑屈に考えておりました」
まぁね、 気持ちは解らないじゃないよ。
でもそれじゃ 『主導権』 はずっと向こうのまんまだよね。
裏を返せばみつかった時点で何をされても抵抗出来ない。
オレが言う迄もなく解ってるだろうけどさ。
「情や徳などでは、 誰も護れぬ。
その事実を解っていたにも関わらず、
怠惰に流され其れを実行する事が出来なんだ。
魔皇様の御手を煩わせてしまい、 本当になんと御詫びを」
ソレは、 半分間違いだね。
無関係のオレが勝手にヤるからいいんであって、
ハーフ・エルフが直接ヤったらマズイでしょ?
「上」 の立場に居る奴等は 「下」 の者が造反すると逆ギレするし、
他のハーフ・エルフで憂さ晴らしするかもしれない。
そもそも爺ちゃん、 大儀の為に鬼になるってタイプじゃないでしょ。
だから――
「ありがと」
肩に手を置いて立ち上がらせた。
『犯罪者でも生命は生命』
とか抜かす莫迦の戯言、 死ぬほど嫌いだしね。
そもそもそのクズと普通の人を 「同一視」 してる時点で矛盾してるし。
オレらの世界に 【悪魔】 はいなかったけど、
その悪魔でもヤらないような惨いコトを
笑いながら平気でヤるのが人間だった。
だったら利用出来るモノは、 利用出来るだけ利用させてもらうさ。
他の方法なんて想いつかないし 『お互い様』 だからね。
爺ちゃんやサーシャが虐げられてきた分、
今度はオレがヤり返してやる――!
その後は努めてクダラナイ話をしながら集落まで戻った。
意外と護衛クン達も話せたな、 武骨な感じがするけど
二人共案外よく喋る。
でも名前聞き忘れた、 後で爺ちゃんかサーシャに聞いとこ。
そして村の入口を潜った刹那――。
「おかえり」
あ、 相方あああああぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――!!!!????
数十人の子供に纏わり付かれて動けなくなってる英霊が出迎えた。
オレ達が外へ行ってる間に一体何が在った!?
取り敢えず無表情怖ェよ!
人間よりこっちのがヤバイッ!
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