第7話「獲物その2………………って、をいぃぃい!」
「あー疲れた……。朝から重労働だったぜー」
最近…腰痛を感じるお年頃。
だって、お中年ですもの───。
バイオコンポスターがゴロンゴロンと起動し、赤い肌のゴブリンを肥料に変えていく。
……変えていくのだが、別に肥料が欲しかったわけではない。
とはいえ、せっかくだし本当に肥料にして使おうかな? モンスターで作った高級肥料は、高級野菜になるって聞くしな───。
そうだ。
野菜を育てれば家計の足しにもなるな!
ぶっちゃけ、そのへんの野草を採るよりも現実的だろう。
……───よしッ!
そうと決まったら、ホームセンターだッ!
「んー! まっとれぃ、ポンタぁ! 数か月後はゴブリン肥料の野菜食い放題だぜー!」
『わんわん♪』
よっしゃー! 耕すぞ───!
さっそく野菜の種と庭を耕す道具を買いに行った高橋だったのだが───……。
家に帰った直後、天を仰ぐ。
おぅ、じーざす……。
『わんわんおッ♪』
……いや。
いやいやいや、『わんわんお♪』───じゃないよ、君ぃ!!
な、なんでぇ??
な~んで数時間くらい待てないかね!!
あーもー…………。
すぅぅ……。
「ポンタぁっぁあああ! どぉぉこでその豚を捕ってきたぁぁああ!!」
家に帰った直後、庭に鎮座している半殺しにされた豚を発見した高橋がポンタに詰め寄る。
いやほんと、なーに、ちょ~っと目を離したすきにモンスター捕ってきてるのぉぉぉお?!
……確かにさー、食えるもの捕ってこいって言ったけどさーーーーーーーー!!
「し、し、しかも───そいつ、」
『ごるるるるる……』
ま、ま、ま───
「まだ、生きとるやんけーーーーーーーー!!」
やんけーーー
やんけーーーー
『わふッ♪』
すっげーどや顔で、勝ち誇った顔のポンタ。
「『わふッ♪』じゃねーわ、馬鹿犬!!」
『きゃふん♪』
スパーン! と頭を軽く叩くも全然堪えてないよ、この子。
前足やら顔中を血だらけにしているが、ケガらしい怪我はしていない。
していないけど───……。
多分返り血だわ、これ。
『ごるるるるる! ごるぅうう!!』
ほらぁ、やっぱこっちは重傷やん?!
っていう、もはや瀕死やん?!
っていうか、一応生きとるやーーーーーーん!
「せ、生命ってすげぇっぇえええええええ!!」
『ごるぁぁぁあああああああああああ!!』
あああああああああああああああああああああああああああ!!
で、でたぁぁーーー!!
住宅街にモンスターでたっぁあああああ!!
「ちょっとぉぉぉおお! 高橋さーーーーん! うるさいですよー! 引っ越ししてくださ~~~い!」
「はーーーーーい、そんまっせーーーーーーんん!!」
やっかましいわ、近所のおばちゃん!!
こっちは、それどころじゃないわぁっぁあああ!!
『ごるるるるるるうぅ……ぶふぅー……』
「うげ!? こ、こいつ、結構元気やん?!」
ヨロヨロと立ち上がろうとする魔物。
「し、しかも、立った……!?…………豚タが立った?!」
豚顔なので、でっかい豚かと思ったけど…………全ッ然違う───。
「っていうか、このモンスターって……」
二足歩行。
豚の顔を持った巨漢……。
……あ、これあれやん───。
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オ、オ……オ──
「オーーーーーーーークじゃねーかぁぁぁあああ!!」
チーン♪
※ポンタの戦果:なんかめっちゃ青いオーク※