第30話「大金入金」
「うぉおおおおお! やったぞ、ポンタぁぁあ!」
口座を確認して歓声を上げる高橋。
その目には、しっかりと1000ドルもの大金が振り込まれていたのだ。
あの邪魔者でしかなかったダンジョンが金を産む。
そのことに涙すら流したくなるほど感動……!
「よくやったポンタ!! ポンタいいこ、ポンタいいこ!」
ナデリコナデリコ
『わふっわふっ♪ ひゃぉぉおおおおおん♪』
大金の入金に大喜びの高橋は、ポンタを抱き上げ、遠心力を楽しむように一人と一匹でクルクルと回り、最後はドサリと庭で一緒になってゴロゴロ転がる。
もう、ポンタの行動をいちいち咎めまい。
ここ数日の稼ぎは、ポンタのおかげでなんと50万!!
すっごぉぉぉおい……!
おっきぃーーい♪
「うひひ、これで国民年金が払えまーーーーーーーーーーーーーす!」
へっへっへっへっへ♪
「あーーーーーー良かった!! マジで貯金が消えていくから、内心ドッキドキだったんだよ」
元の会社に支給された例の口座に入っている新種登録の報酬金にはまだ手を付けていないが、いざとなれば引き出せるという安心感は凄い。
しかも、この稼ぎもこれで終わりではない───。
なんたって、高橋にはポンタがいる。
そして、犬小屋ダンジョンがある!
「よし! ポンタ! もう、俺はうるさく言わないッ!」
そしてダンジョン管理局にもこの際、黙っていよう。
というか、もう目力さんに電話するの怖くて無理……!
だって、3回もワンギリしちゃったんだもーーーん!
…………わざとじゃないよ?!
いや、ほんと!
「そうと決まれば、ポンタ!! なんか、珍しい魔物を取ってきてくれ! わかるか?」
『へっへっへ……♪』
「わ、わかるよな? 珍・し・い・や・つ!」
『へっへっへ……! わふ♪』
───んーーーーーーよし!
……うん。多分、わかってない!!
「分かってないけど、よし!! もしかして分かってるかもしれないし、わかってないかもしれないけど、んーーーっ、よしッ!!」
いけッポンタ!!
ポンタGO!
GO、ポンタ!!
「今宵、その犬小屋はお前のものだ───!」
『へっへっへっへ! わふ~ん♪』
ちょ!
「ぶわっ! 舐めるな! くっさ!!───俺じゃない! 犬小屋! 犬小屋にいけ──────ぶわあぁぁ!」
珍しくテンションの高い高橋に触発されたのか、ポンタ君──大興奮。
ありあまるパゥワー(!)で高橋を引き倒すと、思う存分顔を嘗め回すのだった。
結局、この日はポンタは高橋と庭で大はしゃぎで遊ぶだけで、犬小屋には見向きもせず───……。
しかし、臨時収入に調子に乗ってしまった高橋によって犬小屋フリーの権利を与えられたのだった。
それが後にとんでもない獲物を引っ張り出してくることになろうとは、まだ誰も知らない……。
チーン♪
※ ポンタの戦果:なし ※
《クラフト:
ゴブリン肥料の畑INマンドラゴラ
(畑:『種』、
スイカ、蕪、キャベツ、なす、トマトetc)
《収入:『学術協力金』121,072円》




