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犬小屋ダンジョン  作者: LA軍@呪具師(250万部)アニメ化決定ッ


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第16話「獲物その4………………まてまてまてーい! 無理無理無理ぃぃぃいい!!」

 ワォォオオオン!


『わぉぉぉぉおおおおおん♪』


「『わぉぉおぉおおおん♪』……じゃないわ、ポンタぁっぁああ! 犬小屋禁止っつたろうがーーーーーー!! 庭はOK、犬小屋禁止、アンダスタン(理解した?)?!」


『わふ??』

「…はい、してないねー」


 ヘッヘッヘッヘ♪


「褒めて褒めて、じゃねーーーーーわ!! なんッッじゃこりゃ!!」



   なんっっじゃこりゃーーーーーーーー!!



「もう一回、言う! なんじゃこりゃーーーーーーーーーー!!」


 天を仰ぎながら頭を抱える高橋。


 だって、

 高橋家のお庭に、ドデーーーーーーーーンと、横たわっている超危険生物───……。


 『刺青』入りの真っ黒な肌ぁ、

 巨大な一本角に、反り返った牙ぁぁ、


 そして、爛々と輝く真っ赤な瞳ぃぃいいい。

 

 これって、

「お、お、お、オ───……」


 腕は太く、

 胴は筋肉質。

 その腰には各国の迷彩服を繋ぎ合わせた雑な腰蓑一つ───……。


 体長3m越えのぉ…………。



 ──その名も、



「オーーーーーーーーーガじゃねーーーか、それぇぇぇえええええ!!


 つーか、やべぇ!! お、俺でも知っとるわ! それぇ!!

 ダンジョン内で超危険といわれるモンスターじゃねーか!


 ようつべ話題のあれだろこれ?! 米軍の特殊部隊がズタボロに敗北した危険生物じゃん!!


『ワォォオォオオオオオン♪』


 「ワォォン♪」じゃねーわ!!

 こんなもん持って帰ってくんなし!!


「あああああああああ、もう!! あーーーーーもう! どうすんのこれぇぇえ!」


 勝ち誇った雄たけびを上げるポンタ。

 その下には先日のオーク動揺、半殺し(・・・)にされたオーがぐったりと横たわっていた。


 ……って、ちょっと待て。


 は、

 …………半殺し??


 半殺しってことはその───あ、一応、生きてるのね……。


 …………。


 ……。


 って、

「生きとるがな?!」


   こ、こいつ、動くぞ……!


 ──ギロッ!!

「ひっ?!」

 その目がカッ! と開いて高橋を睨みつける!!


 そして、のそりと起き上がると、


『グルァッァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』



 ビリビリビリビリビリ……!



「ひ、ひぃぃぃい……」


 最強の生物を目の当たりにして、

 生物として絶対に勝てないことを理解した全身の細胞が震えあがる。


 ズタボロとはいえ、オーガ!!

 数多の生物、人間を屠りに屠ってきた最強種、オーガ!!


 その戦意は微塵も衰えておらず、高橋ごとき矮小なる生物は一握りにしてやると猛り狂う!!


『グルァァッァァアアア! グガアァァァアアアア!』


 オーガが……二本の足で───立つ!!

 それだけで、ズズン……と、小振るぎする高橋家。


「で、デッカ……! でっかーーーーーー!」


 残暑の陽光が遮られ、黒々としたシルエットとなって浮かび上がるオーガ。


 マジでデカい……。


「……いや、これ、絶対犬小屋よりでかいやん!」


 絶対に入り口通らなくね?!…………え? ポンタ君さぁ、これどこで拾って来たん?!


『ぐるあっぁぁあああああああああああああああああああ……!』


 ズシン! ズシン!!


「こっわっ!! こっわーーーーーー!! こっち来るし、こわぁぁぁあ!!」


 生きてるオーガ、(こっわ)ぁぁあ!


 あああああああああああ!!

 でけぇぇぇえええ!!!


『ゴルァァァァッァァァァアアアアアアアアアアアアアアアア』



  がらっ



 あ、やべ……。あの音は───。


「ああーーーーーもう!! マジでうるせーーーーー!! 無職の高橋さーーーーーーーーーん! いい加減にしてくださいよ、うるさいですからぁぁああ!! 引っ越せ、ばーか!」


『ぐるぁ?!』


 そして、近所のおばちゃんスゲーな?!

 オーガの雄たけびに全然動じてないし、なんなら言い返してるし!! オーガもちょっとビビッてね?


 ………………つーか、誰が無職じゃーーーーーーーー!!


 無職だけどさーーーー!!




 つーーーーーか、デッカぁぁぁあッ!!

 ほんっと、でっかーーーーーー!!



 オークが2~3mだとしたら、こいつ──────かるく3mはあるよね?!

 俺なんか、パクっと一口でやられるやん!!


『ゴルルルルルルルルルルル───ふしゅうう』


 ズシンッ……。


「え?」


 ズシン、ズシン、ズシン……!


『ゴフゥゥウウ……』


 ズン、ズン……!


「ちょ、こっちに───?」


 え? やばない?


 ……お、俺、死ぬ??

 死ぬの?


「死ぬのぉぉおおおおおお?!」


 ひぃぃいいい!!


 瀕死の……オーガが、腰のデッカイ()を持ち上げぇぇぇ──────高橋の頭上に高々と掲げる!!


「──武器やん?!」


 その動きがスローモーションにみえ……庭の土がパラパラと落ちる様までよく見えた……。




    「……あ、俺、死んだわ」

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