ニャンフーネコ男とあまちゃん――企画アンサーストーリーズへのアンサーストーリー
この作品は、拙作『ニャンフーネコ娘あまちゃんと霊感少女和花の、ドタバタ猫又討伐伝』及び黒森 冬炎様の作品である『転機』に対するアンサーストーリーとなっております。
わたくしが、ちょっとは世の中のことをわかりはじめたころ。
(おや、いつもの白ネコだ。……ん? あれは、見たことがないネズミもいるぞ)
学校帰りによく見かける白ネコが、血相変えて走っていました。そしてそのあとを、見たこともないネズミが追いかけていきます。当たり前の話ですが、白ネコはネズミなぞには目もくれずに、角を曲がって見えなくなりました。そしてネズミも……あとは追わずに、わたくしのほうへ向かってきたのです。
(なんだなんだ、ネズミなんてわたくしの好みではないんですがね……)
「くっ、こいつ、強いにゃ!」
角の向こうで、女の子のさけび声が聞こえてきます。
「くらえっ、にゃんふー奥義……ふにゃっ!」
いつもならこのかけ声で、ゆうれいをめった打ちにするはずなのに、どうやら苦戦している様子。と、さっきのネズミが、わたくしをじっと見つめているのです。
(ネズミなんて食いはしませんよ)
わたくしの声が聞こえたかのように、そのネズミはしっぽをぴくぴく、ひげもぴくぴくさせて、あろうことかわたくしに話しかけてきたのです。
「あんた、まさか……やっぱりでチュー! あんた、ぼくを食べないでチュー? 甘いもの大好きでチュー?」
(甘いもの? そりゃあ、わたくしは自他ともに認める甘党ですが)
「そうでチュー! やったでチュー! さぁ、時間がないでチュー! 宙返りするでチュー!」
(宙返り? そんなことしたことないですが)
「いいからやるでチュー! あまちゃんのピンチでチュー! あんたがあまちゃんを助けるんでチュー!」
(うわ、こっちに来ないでほしいですね。あぁ、もう、わかりました、宙返りすればいいんでしょう)
わたくしはグーッと背筋を伸ばすと、両手足に力をこめて、それから思い切り宙を飛びました。ぐわんっと目の前がゆがみ、そして視線がどんどん高くなって――
その日から、おどかしてくるゆうれいは、ニャンフーで撃退するようになりましたね。
お読みくださいましてありがとうございます(^^♪
ご意見、ご感想などお待ちしております。
原作はこちらとなっております。
小畠愛子 作『ニャンフーネコ娘あまちゃんと霊感少女和花の、ドタバタ猫又討伐伝』
https://ncode.syosetu.com/n0084gv/
黒森 冬炎 作『転機』
https://ncode.syosetu.com/n0753gv/10/