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第33話 事件の解決・3


 その後、主は「どうしようか?」と俺に聞いて来た。


「……俺の意見としては、レイナ達が居れば活動の範囲は大きくなります。レイナ以外にもワイバーンやウルフキング等と、遠出する時に使える魔物が居ます。色々と得られる物は多いですが、2つだけ主に不利益な事があります」


「不利益な事が2つ?」


「はい、一つ目は見ての通り数が多いので今の宿屋では暮らす事は不可能です。ここに居る者達以外にも、元主が所属しているパーティーの拠点に魔物が居ます。俺が出て行った時から増えて居なかったら、合計で30の魔物が居ます」


「さ、30!?」


「そして2つ目は、その30匹の食費になります。30匹全て使える魔物という訳ではありません、中には番の子だったり、元主が捕まえるだけ捕まえてレベル上げをさせず、ただ連れまわしていた者も居ます。その者達の面倒をみるとなると、大金が必要となります」


 そう俺が主に言うと、主は「私、お金沢山持ってないよ……」と泣きそうな表情で言った。

 そんな主に対して、黙って聞いていたルドルフさんが話に入って来た。


「その事だけど、アイナちゃん。王都に私が息子が居た時に使わせていた家があるんだけど、もしよかったら受け取ってくれないかな?」


「えっ!?」


「今回の事で色々と整理をしたくてね。家の掃除は私が業者に頼んでおくから、私は別に王都に家を持ってるから使わないし、もしよかったら貰ってくれないかな?」


 ルドルフさんはそう言いながら、バッグからその家の譲渡に関する書類を取り出した。

 本気で主に家を渡そうとしてるなルドルフさん……


「えっ、え~っと……」


「……主、貰えるなら貰っておきましょう。主の事ですから、レイナ達の主になろうと思ってるんでしょ?」


 その言葉に主は、ビクッと体を反応させた。

 うん、だろうなとは思ってたよ。


「それにさっきの2つの問題点ですが、場所の確保が出来るなら2つ目の問題も解決できますからね。レイナとヴォルト、他にも数名はギルドから信頼を得てる魔物が居るので単独で依頼に行かせても問題ありませんからね。元主は、自分が目立つ為にそういった事は一切してませんでしたが」


「あら、ゴブタ。私達の事を認めても良いの? さっきまで反対したいように見えてたけど?」


 俺の言葉に対して、レイナがそんな事を聞いて来た。

 別に俺はレイナ達と仲間に戻りたくないから、反対していた訳ではない。


「問題があったから反対してたんだよ。問題が無いなら、別に反対するつもりは無い。ああ、でも俺以外にもう一人聞かないといけない奴が居るな……」


 そこで俺は話に一切参加してなかったウィルの存在を思い出し、後ろを振り返った。

 すると、ウィルは話に全く興味が無かったのか、丸くなって寝ていた。

 まあ、確かに今回の事は俺の問題だし、ウィルには一切関係なかったな……


「ウィル、ウィル」


「んっ、何だ? 話し合いは終わったのか?」


「まだ少し続くがお前に聞きたい事があってな、ここに居る魔物と他の所に待機して魔物を主が従魔にしたいみたいだが、お前としてはどう思う?」


「別に良いんじゃないのか? 従魔使いが魔物を増やすのは当たり前だろ? まあ、強くなれなくなるんだったら嫌だけど」


「そうか、分かった。ありがとうウィル。もう少し話し合いは続くから、寝てていいよ」


「おう」


 ウィルにお礼を言うと、また直ぐに丸くなって寝た。

 その後、主はレイナ達を従魔にすると決めて、ルドルフさんから家を貰った。

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