直近の怪奇①
こちらは直近であったことをお話する内容なので、①〜徐々にお話が増えていく予定です。
怪奇というほどの怪奇ではないかもしれないが、ここ最近にあったことをお話しようと思う。
怪談を書き始まって、ここ最近いつもと違うことがあった。
いつもと違うと言っても、見えたり聞こえたりという類の話ではない。
人物紹介でも書いたことだが、文字通り、私は見えない聞こえない、ただの一般人だ。
だが、「感じる」ことはある。
ここはいてはいけない場所だとか、側に、人であって人じゃないものいる、というのがわかったり、それはその時によって違うのだが、久々に寝る前に「それ」を感じたので書き記しておこうと思う。
その日私は、いつもより早く就寝した。
が、うまく寝れず、しばらく布団の中でごろごろしていた。
すると、鎖骨のあたりが急に痛みだした。
心当たりはないがとにかく誰かに強く押されてるかに痛い。
だとすると、心当たりがあるのはたぶん・・・
と思い、私は、信頼する占いの先生から教わった、霊を祓う簡単な詞を心の中で強く念じて、空を刀印でもって切った。
すると、痛みは薄らいだ。
やはり、近くに「なにか」はいるようだ。
そこで今度は、壱弥さんから教わったイマジネーションから成る祓いの儀を軽く行ってみたら痛みは無くなった。
すると今度は、耳がきんきん痛んだ。
これは、私にはありがちパターン。
耳元で、見えない人が何かを言ってるときパターンである。
私は文字通り聞こえない。
だが、何かを言ってるのは理解できる。
それは、その時感じる耳の痛みが、生霊の声を電話で聞いたときのそれと酷似しているからだ。
ちょうど、耳元で誰かが叫ぶとこんな感じだろう、みたいな耳の痛さに、黒板を爪で引っ掻いたときの音や、超音波みたいな高い音を耳できいている感じのキーンとした音が耳元で聞こえるわけだ。
正直大変耳障りである。
ー私にはあなたの存在は認められますけど、姿は見えないし声は聞こえません。何もできません、帰ってくださいー
何度も辛抱強く思念を送ると、また耳がキン、と数分間痛くなる。
何かを訴えている。
その訴えは結局聞こえないし、私は相手を救う力を持っていない。
そのことを改めて思念で送るが、相手は一向に去らない。
もとより、霊が出てくるのは、結局相手に自分の願いを聞き入れてもらいたいか、認めてほしい場合がほとんどだ。
それが通じない相手は、もう悪霊とほぼ大差ないのだが、本当に幸いにも、これまで私は悪霊らしきに会ったことはほとんどない。
とはいえ、ここまでいられても迷惑なので、今度は相手に、成仏できる方法を語る。
・・・・やはり聞かない。
そうなると私の最終手段は、文字通り神頼みである。
ー神様にあなたをお願いしようと思いますー
これまで私は、この体質になるまで神様の存在は半信半疑だったが、憑かれた時によくお世話になる神社で、そこの神様に、作法に則って「お願い」をすることで何度と無く窮地を救われてきた。
それもあって、今は神様に全幅の信頼をおいているわけであるが。
神様が憑いた存在を抹消するのか、成仏させるのか、追い払っているのかは正直わからない。
わからないが、鳥居の「中」はあくまでも神聖な空間。
おそらくそのままそこにとどまることはありえないだろう。
神様はどういう形かわからないが、憑いた存在を別の空間に導かれているのだと思う。
ただ、憑いてきた霊をむやみに神様に引き渡すつもりもない私は、相手に条件を出す。
ーただ、お願いするにあたってこちらからも条件がありますー
人間も、霊も、見えないだけでみんなそこにいる。
足がないか、手がないか、顔が生前の姿をしていないだけだ。
遠い昔、壱弥さんか呼唄がそういっていたことを私は思い出すからこそ彼らに言う。
徳を重ねるようにと。
いいことをすれば、その分だけ魂は磨かれていく。
人を助ければ、守れば、道のりは長くても成仏できる。
神様にお願いする前に、少しでもいいことをして、私に背中を後押しさせてくれないかと・・・・。
先に言っておこう。
そもそも、一番いいのは見てみぬふりであり、私のようになんの能力も会話もできない奴に従う霊はそうそういない。
そして、「話せる」と誤解された時点で、霊はしつこくこちらに自分の要望を訴えかけるパターンが9割ほどだ。
助けてもらえると勘違いするからだ。
結局。
相手を期待させることなく、知らないふりをすることが一番安全なのだ。
だから、私も最近は一方的に相手に語ることはやめて、しつこい場合は祓うことを優先させている。
それでもだめならやむなく神様にお願いする。
この流れだ。
私は「感じる」だけで何もできない。
だから、しつこい連中には何もできない、帰ってほしいことを断固アピールする。
「あなたと私が住む世界は違うのよ!」
はっきり言うことで引き取っていただけることもごくたまにあるのだが。
相当な精神力がある方におすすめな方法だ。
そして、かくという今回に関しては。
交渉決裂で、向こうが諦めたのか、去っていった。
やれやれ、な夜。
だが、それはまだ終わりではなかった。
次回はちょっと変な悪夢?もどきをみたのでそのお話をしようと思う。