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手当て “GOD HAND~奇跡の力~”  作者: さじかげん
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【尋問】

【尋問】


「…」

「…」

「…」

無言の状況が続いている。

ここは、藤川先生が連れて来てくれた老舗?の料理屋だ。

普段の僕には似合わない高級感のある料亭と言えばだいたい想像つくだろう。


そこに着き、仁さんと3人で乾杯をして食事を始めたのだが…

それからこの無言の状況が続いていると言うわけだ。


状況が状況なだけ今食べているおいしいだろうと思われる料理を

口に運んでも正直味がわからない。


僕自身何をしたわけでも、特に後ろめたいことがあるわけでもないが

緊張感のある雰囲気であることは確かである。


隣の仁さんと言えば

そんな僕にお構いなく笑顔でおしいそうに食べている。


そんな中、藤川先生が口を開いた。


藤川「大木君、トリアージタッグって知ってる?」


急に話題を振られた僕は驚いて顔を上げた。


「はい?」


藤川「トリアージタッグよ!」


「…いえ聞いたことがありません。」


その言葉を聞いた藤川は目を僕の横に座っている仁に向けた。

仁はその目線で何かを悟ったように口を開いた。


仁「傷病者の緊急度や重症度を判別するための印だ。

  色によって医師・看護師が瞬時に判別できるようにしている。」


藤川はにこりと笑った。


「そのトリアージタッグがどうかしましたか?」


僕は急に話題に上がった意味がわからなかった。


藤川は食べていた箸を置き、僕に目線を合わせながら話を続けた。


藤川「あの事故の時、けが人が思った以上に多かったし、医療関係者の手が足りていないから

   そのタッグで傷病者を分けて病院に運ばせるように手配したのよ。」


「…はい」


藤川の言葉で仁は箸を止めた。

そして、藤川に顔を向けた。


藤川「でね…その中でも重症患者を私の病院に運ぶように指示したの。」


「はい」

それしか返事をする言葉は出てこなかった。


藤川「指示した患者さんは私が感じた限り、軽度でも全治3ヶ月ってとこね…

   それが今日あなたに会ってもらった患者さん達よ。」


「…」


藤川「みんな多少なりともケガはしてるけど元気なのよ。入院が必要のないくらいにね…」


僕は今更ながら嫌な予感がした。


逃げるように目線を仁さんに向けると

ため息をし何かを悟ったような顔をしていた。


藤川「私、もう年で腕が落ちたのかしら…医院長や看護師からも変な噂が流れてしね…」


藤川先生はため息をつき、落ち込んだ様子を見せつつも僕と仁さんの様子を伺っていた。


「…そんなことはないのではないでしょうか…あの時先生は最善を尽くして…」


言いかけたところで藤川先生はさらに割って入ってくる。


藤川「大木君!」


「は、はい?」


藤川「あの日、あなたが私の診た患者を運んでくれていたわよね?」


「…はい」

藤川先生の目が怖い。


藤川「あの時何かあった?」


「…いえ、特に何も…」


続けてこう問いた。


藤川「あの時…何かした?…」


藤川の目線が僕を貫く。


「…いや、僕は特に何も…」


藤川「信用のなくった医者の私は、もう身を引かないとだめかしらねー

   今後の生活どうしようかしら…この世界ではもう行くところはなくなるだろうし…」


「…いや、あの」


藤川「大木君?」

満面の笑みで僕を見据える。


横にいる仁さんに助けてと目線を送るが…


仁はもう遅いと軽く首を振った。


(あーーなんでこうなるのか)

自分の軽率な行動とここまで追い詰められている自分に

嫌気がさして頭を下げた。

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