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手当て “GOD HAND~奇跡の力~”  作者: さじかげん
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【藤川先生からの連絡】

【藤川先生からの連絡】


社長室から戻り、日常業務に戻った僕だが

メディアの影響もあって他部署からの往来や

お得意様からの連絡でなかなか普段の業務が進むことはなかった。


午前中の業務が終わり、各自が昼食に足を運び出した。


僕はデスクに向かいため息をついた。

顔はビジネススマイルをずっとしていた為、変にこわばっているように感じた。


後ろからポンと肩をたたかれた課長だった。


「いやーヒーローは色々と大変だね。」


僕の顔色を見てそう察して言葉を掛けてくれた。


「大木君!今日はもう帰っても構わないよ。

 先ほど、社長からも連絡があった。

 仕事にならんだろうから今日は帰らせてやってくれとさ。」


僕は、課長の顔を唖然としてみた。

社長が直々にそういう事は聞いたことがなかったからだ。


僕はデスクにまた顔を向けた。


(もしかしたら、メディア対応の件でのお詫びをかねているのか・・・)


少し考えたが、確かに今日は仕事にならない状況だったのでその言葉に甘えることにした。


「課長。ありがとうございます。今日はこんな状況なのでお言葉に甘えさせていただきます。」


「おう。ゆっくり休みなさい。まあ、数日すれば日常に戻れるだろうからな。」


僕は、課長に一礼し、軽く荷物をまとめ事務所を出ようとした。


その時、入口から笑顔で前田雫がやってきた。


「先輩。お昼ご飯一緒に食べましょう!」


「前田君。すまない。今日はこんな状況だから帰らせもらうことにしたんだ。」


そう口にすると前田雫は笑顔からあっという間に泣きそうな顔になっていった。


「えー帰ってしまうんですか?一緒にご飯デートしたかったのに・・・」


(おい。なぜにデートになるんだ。)


僕は思わずツッコミたくなったがそこは無視することにした。


「申し訳ないな。また明日時間が合えば食べに行こう。」


長くいると、なんやかんやで捉まりそうだったので

手に荷物を持ち素早く足を運んだ。


前田雫の寂しそうな目が僕の背中に突き刺さっていたが

振り切るように事務所を出た。



・・・


事務所を出た。僕はいつも通りの経路で家路に向かった。

いつもとは違うのは、青空と太陽がまぶしかったことだった。


家に帰り。

手洗いをし、冷蔵庫を開けビールを開けて一気に飲み干した。


「こうやって飲めるのも慣れてきたな・・・」

自分のお腹に手をやりさすりながらつぶやいた。


何か自分が自分でないような気もした。


シャワーを浴び、ベットに横になった。


「なんだかんだで色々あるな・・・」


少し考え事をしているうちにウトウトし、深い眠りに入った。



・・・


ふいに電話が鳴った。


僕は、はっとし音が鳴るほうに手で探り電話を取った。

少し寝ぼけた声で応答した。


「・・・もしもし。」



「もしもし、大木さんの電話で宜しかったですか?」


聞いたことのないような声だった。


「はい。大木です。どなたですか?」


僕は、少し電話を離し、画面を見て着信番号をみた。

登録されていない、知らない番号だった。


僕は回らない頭の中で、しまったと思った。

もしかしたらメディアに連絡先が漏れてしまったのかと考えた。


「私、武蔵病院の藤川と申します。先日の事故でご一緒した者です。覚えておりますか?」


僕は一気に目が覚め、起き上がった。


「あ~はい。藤川先生でしたか。昨日は色々とお世話になりました。」



藤川は相手が大木強志とわかり安堵した。

それまで、営業声色で話をしていたが

相手がわかったので声色を戻した。



「いやー大木さんでよかった。」


僕は電話先の藤川先生の声色が変わってびっくりした。



「いや。ごめんね。あんまりこういった電話は苦手でね。

 いつも通り話さしてもらっていいかな?」



僕は、一瞬面を食らったが昨日の藤川先生を思い出し納得がいった。

「はい。私は全然構いませんよ。」


「大木さんは今仕事中かな?電話しても大丈夫かい?」


僕は、近くにあった時計を確認した。

まだ午後4時前であった。


「はい。大丈夫です。今日はちょっと早退させてもらって

 今は家にいます。」



「なんだい。具合でも悪いのかい?」



「いえ・・・そうではなく・・・。」


僕はその後、事のあらましを説明した。


「ああ。そうかい。それは大変だったね。」

電話越しに豪快に笑っていた。


僕は心の中で、いや藤川先生あなたのせいなんですけどねとつぶやいていた。


「昨日の今日で悪いのだけど、明日ちょっと都合をつけてうちの病院に来てもらえないかな?

 大活躍だった君にお礼を兼ねて食事をと思うのだけど、その前にちょっと話がある。」


「話ってなんですか?

 私はそれほど活躍してませんって。それこそ大活躍は藤川先生じゃないですか?

 先生が祭りあげなければ、今日だって普通に仕事をしていたんですから。

 そもそも明日は普通の出勤日で帰りは夜遅くになるので急には無理ですよ。」


僕は、普段初対面に近い人には言わないことだったが

藤川先生にはこうすでに何年も付き合っているような空気感があったので

つい言葉にしてしまった。


僕は、すぐさま言い過ぎたことを後悔した。


少し間があって藤川から切り出した。


「やっぱり君はいいねー。医者に向いているんじゃないか?」

なんていい。また豪快に笑った。


僕はその言葉にほっとした。

「すいません。ほとんど初対面なのに・・・つい熱くなってしまって・・・。」


「いいのよ。私にも非があるわけだし。君っていう人を私は認めているから。」


「それより君っていうのもあれだし、大木さんっていうのも言いずらいから大木君でも大丈夫かな?」



「はい。私は全然構いません。」


「私の事は好きに呼んでいいから。」


「はい。藤川先生。」


「う~ん。つまんないな。」

と言いながら電話先で笑っていた。



「本題なんだけど、明日の件は大木君の社長にも話を通しているから大丈夫よ!」

だから明日、午前10時くらいにうちの病院に来てちょうだい。」


「先生・・・社長に既に話を通したのですか?」

僕はびっくりした。


「そうよ!会社の名前を出したのもそうだけど、大木君名前をあれだけ

 大きく出したのだから私とあなたの社長は共犯そのものでしょ!

 精神的負担を考えれば1週間くらい休んでも罰は当らないわ。

 そんなようなことを言ったらすぐOKしてくれたわ。」



僕は先生の手際に唖然とするしかなかった。

「ははは・・・まさかそこまで考えて社長を巻き込んだわけではないですよね?」


「あははは。私がそんなタイプに見える?

 たまたまそうなったから利用しただけよ。」


本当なのか。嘘なのか。

僕には判断できなかったので尚更怖かった。


「まあ、そういう訳だから明日お願いね。詳しくは明日話すわ。」



「・・・なんか怖いのですが・・・」


「とって食いはしないわ。」


「それじゃ明日待っているわ。着いたら私の携帯に連絡ちょうだい。」


「・・・はい。わかりました。」


藤川先生との電話を切った。


(はあー次はなんなんだ。嫌な予感しかない。)


僕は、とりあえず会社に旨を話し休ませてもらうことにした。


後、念のため仁にも連絡することにした。


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