[僕の味方]
[僕の味方]
家に着いた大木剛志は、ビールを飲むようにコップに注がれた
100%のオレンジジュースを一気に飲み干した。
そして、スーツを脱ぎ、下着姿のまま駅前にある弁当屋で買ったからあげ弁当を
食べ始め、これもいつもの半分の時間くらいで食べ終えた。
ふーっと息をつくと、少しお腹をぽんぽんと叩いた。
(いつの間にか俺の胃も強くなってきたな。こんなにも飯がおいしく食べられる日がくるとは思ってもみなかった。思ってもみない…ハルちゃんもこんな感じだったのか。
多分、俺よりずっと思ってもみなかっただろうな。)
なんてことを考え、頭を両手で掻いた。
「あ~もうなんて日だ!」
俺は、すぐに立ち上げり、頭を切り替える為にすぐに風呂場へ向かった。
…
「ふー気持ちよかった。さてと…」
大木強志は、着替えをし、頭を拭きながら携帯電話を手にした。
ディスプレイには一宮仁の名前が映し出されていた。
「この人に相談するしかないか…」
時間は夜の8時10分頃をしていた。
電話に出てくれるだろうか。そんな不安を抱きつつ、通話ボタンを押した。
プルルル…プルルル…プルルル…
三回目のコールの後電話が通じた。
「よお!青年!生きていたか?」
力強い声と共に笑い声が聞こえた。
「早々にひどいですね。ちゃんと生きていますよ。先生!」
僕は、そんな冗談を言う先生に安堵していた。
「つくしちゃんは元気に何事もなく退院したぞ!
たけし君は最後まで君に会いたがっていたぞ!」
「そうですか。それは良かったです。」
「それと、俺のことは先生じゃなくていい。仁と呼べ。
俺はお前のことダイキと呼んでいいか?」
「なんでダイキなんですか?」
俺は少し笑ってしまった。
「まあ、今後のこともあるしニックネームの方がいいだろ?」
「…そうですね。お任せします。仁さん。」
「さんはいらねえって言ってるのに。まあ、お前の好きにしな。」
「ところで、どうした?何かあったのか?絶対にお前から電話はかかってこないと思っていたぞ。」
がははという笑い声がまた聞こえた。
「ちょっと問題がおきまして、それについて相談に乗ってもうらいたくて…」
「ほーいやに素直だな。わかったちょっと待ってろ。」
ドタドタ歩いている音が聞こえる。
やがてドアの閉まる音がした。
「よし、誰もいない個室に入ったから話していいぞ。」
「気を使ってもらってすいません。」
はん!という鼻で笑った声が聞こえた。
「実はですね…」
僕は、仁さんに今日会った春風ハルとのやり取りをおおまかに話した。
最後まで話しを終えたところで、仁さんにどうすればよいのか聞いてみた。
「わははは。おめえは本当にお人よしだな。
しかも、よりによって取引先の社長の娘だったなんて…それは傑作だ!」
電話越しでまだ笑っている声がする。
「仁さん!本当にわらいごとじゃないんです。
本当に困っているから、こうして連絡しているんですから!」
「…まあ。重く受け止めらないで、笑ってくれた方が、僕にとっては気が楽になれましたけど。」
一宮仁は、笑うのをやめてこう言った。
「おう!それが結構大事なんだよ!」
なんとなく医者が言うと説得力があるように聞こえる。
「ダイキ!おまえさんはその娘のことが好きなのか?」
「…いや。好きか嫌いかと言われると…。恋愛感情はまだないってとこです。
自分でもよくわかっていませんが。」
「は~多分な、彼女の方はそうとも限らないぞ。まあ、お前さんは相当鈍いから、言ってもわからないと思うがな。」
「そんなこと言われなくてもわかってますよ!失礼な!」
電話越しに仁の顔が見えて撮れた。
「まあ、なんにせよ。相手の出方次第になるんじゃねえの?
そのまた会う機会ができた時、俺もいてもいいか?
その場で俺が恋のキューピットになってやるよ!」
「いや、恋はいいですって…だけど、お願いしてもいいですか?
俺一人だとなんだか心もとないので…。」
「ははは!しょうがねえな子守でもいてやるか。
そしたらまた連絡してくれ。都合の悪い日時は後でメールに送っておく。」
「すいません。お忙しいところ。」
「まあ、一個でっけえ借りがあるからな。俺もいつかお前さんの力を借りるときが来るかもしれんから、その時はまた頼む。」
「わかりました。僕ができる範囲なら…」
「おう!じゃあまた連絡してくれ!」
プッープッープッーっと通話が終わった音が聞こえた。
人に相談したことで、大木強志は大きな安堵感を得られた。
「先生には敵わないな。。」
そう呟き、僕はもう今日は寝ることにした。




