[春風ハルの変化]
読み返しなしで書き上げています。誤字脱字あったらごめん。
[春風ハルの変化]
娘に何かあったのか…
父、春風春雄は今社長であることを忘れ、事務所内の人だかりのあるところまで走っている
傍からみれば走っているようには見えないかもしれないが、春雄はこれまでに見せたことないほど手を振り、足をあげ急いでいる。
「社長!そんなに急いで走ったら危ないですよ!」
後ろから女性社員も追いかけるように走りながら社長に声を掛けた。
「ハア!ハア!む、娘は、ハルは無事なのか?」
息を切らしながら女性社員に問いかけた。
女性社員は、首を縦に振った。
「大丈夫です。少し疲れているようですが怪我などは無いようです。」
一番大きな変化のことは説明しても理解してもらえないよう思い、
ハルちゃんの身の安全であることだけ簡潔に伝えた。
「そうか。無事なのか…よかった。」
そう言って社長はようやく足を緩め、強張っていた顔が穏やかになった。
・・・
「おい!みんな業務に戻るんだ!
ハルが少し遅れて帰ってきただけじゃないか。」
社長は、人だかりになっているところまで来た社長は社員達に平然装い声を掛けた。
社員達は初めて社長が来たことに気づき一斉に振り向いた。
「社長!?大変です」
「社長!ハルちゃんが!」
「社長!それどころじゃないです!」
次々と声を浴びせられた社長たまらなくなり
「ちょっと、みんな落ち着きたまえ。肝心のハルはどこにおる。」
そう尋ねると、まるでモーゼの受戒のように人が左右に分かれた。
その中心に春風ハルがいた。
父、春雄その姿をみてようやく安堵し、顔をほころばせ親としての顔を見せた。
しかし、すぐに顔を引き締めハルに向かって言った。
「ハル!こんな時間まで何をやっていたんだ。昼休みの時間はとっくに過ぎているんだぞ。
おまえには特別扱いはしないと言ったハズだ。みんなに迷惑を掛けていることはわかっているのか?」
説教じみた言葉をハルに投げかけた。
本心は、娘を抱きしめたい気持ちで一杯だったが立場上やむを得なかった。
父の声を聞き、ハルはようやく顔をあげた。
いつもは疎ましく感じる父の声でさえ不思議と懐かしい感じがした。
そして、いつもなら説教されたら父に反抗した。
弱い自分を見せないために。
でも今日は違う。
ハルの顔を見る父。
父の顔を見るハル。
少しだけ時間が止まったような気がする。
父は、ハルのある変化に気づく。
「ハル…おまえ杖はどうした?服も少し…」
言いかけたところでハルは父に向かって言った。
「父さん!私、目が見えるの」




