[2回目の手当て]
[2回目の手当て]
僕は、目を触る前に春風ハルの捻挫したであろう足首に軽く手を当てた。
そして、僕は治ってほしいと念を込めた。
すると、手がまた陽だまりのようにまばゆく光り始めた。
その光りは、患部の足首を覆い、少し経つとその光りは消え去った。
僕はこの時に一つわかったことがあった。
それは念じる強さで、力の強さを加減できるということだ。
ちさとちゃんの時は、僕はがむしゃらにものすごい強く念じた。
その為か、その力はちさとちゃん一部でなく全身に行き届いていた。
でも、今回は違った。
今、自分が冷静でいられているせいか、直したい箇所をあらかじめ頭に浮かべ念じてみた。
そうすると、その部分だけに力が発揮することがわかった。
僕は、足首の手当てを終え、再び春風ハルの後ろに立った。
春風ハルが言った。
春風ハル「大木さん。なんか足首のところ何かしました。今一瞬ですが、ものすごい暖かく
気持ちよかったですが。」
僕「いや、何もしてないよ。足が痛むかなって心配して少し触れたけど。」
春風ハル「心配してくれてありがとうございます。」
僕「じゃあ目隠しするから。」
僕は春風ハルに目隠しするように目を両手で覆った。
僕は、春風ハルに気づかれないように両手に集中して念じた。
僕の手が陽だまりの光りを発し、春風ハルの目、そして頭を覆った。
春風ハルがビクンと少し驚いた。
春風ハル「大木さんの手って暖かくてなんだかすごく気持ちがいいです。」
僕は、光りが消えていくことを目の当たりにしながら春風ハルに答えた。
僕「そう?よく手があったかいとは言われるけどね。」
内心はばれてしまったのかと焦ったが、とぼけた振りをした。
僕「それじゃあ。隠れるから、離れたら数え始めてね。」
春風ハル「はい。」
…
僕は手をゆっくりと春風ハルから離した。
そうすると春風ハルが声を出して数を数え始めた。
僕はほっとした。
それから、自分の鞄を手に取り、時計を見た。
打ち合わせまであと10分ほどだった。
僕は、公園の出口に向かい歩いた。
公園の出口で、振り返り春風ハルを見た。
元気な声で数を数えていた。
僕は、その姿を目に焼き付けた。
(ハルちゃん。今日はありがとう。
君ならこれから見える新しい世界を喜んで受け入れてくれると思う。
僕は、残念ながら君の近くにはいられない。
ごめんな。)
僕は、春風ハルにお辞儀をして
元気な春風ハルの声を背に公園を後にした。




