s?itch
そろそろニートの辞め時となってしまった。
あ、念のために。お使いの端末と筆者の頭は正常です。
幸福の享受、堕落の至り。
この春眠を脅かすのが______別にこの場合、脆い平和な日常や関係も違わないのだけれど_______
それは好奇心だ。
人は綻びを目にして、それを気にせずにはいられない。
それを解してみたり、広げてみたり。
その後、自分の行動を省みて後悔する訳だ。
何故私の体調の事を知っていたのか?
_______目にすればわかる
何故女物の依頼があったのか?
_______同棲相手が居たから
何故私の部活、生活環境を知っていたのか?
_______少し調べたから
何故…………私だった?
_______偶然、命を捨てようとしていたから
疑問を否定しきれない。
出会ったあの日から3日。
今までの人生の中で、偽りなく最も楽しい時間が流れている。
受動的に矢倉のやる事を一緒にやる。
部屋と矢倉の匂いにも慣れてきて、脳にそれが伝われば落ち着くようにもなった。
私の美濃という名前も、彼の矢倉という名前も、将棋の用語だとわかった。
どちらも防御陣の名前で、この二つが相対する戦場がよくあるらしい。
将棋と囲碁の区別が付かなかったような私には詳しいことはわからない。
だからこの名前の意味もわからない。
矢倉が私を求めるのは依存先としているから。
生きる意味になる私の事を調べたり、それを踏まえて用意をしてもおかしなところはない。
だから矢倉の言動に不自然は無い。
「あの薬、もう握りしめないんだね。」
「…死にたがってたのに、結局死なないのかって呆れてるの?」
「まさか。あの状況、八方塞がり四面楚歌絶体絶命…望みの無いあそこから逃げるための手段だった、死が必要なくなって、死ぬ意味が無くなったんだ。当然だと思うよ。」
「死ぬしかなかったのも確かだけど、生きるのに疲れたとか…生きる意味がわからなくなって。」
「自然現象に、意味なんて見出せるわけがない。生きるのに疲れるのも、それは精一杯生きすぎだって事の証だ。
状況の打開として死を選ぶ。
悪くないと思うけど、少し勿体無い。
雲隠れなんて、しようと思えばできちゃうものなんだ。今みたいにね。」
「こんな簡単にできるなら最初からしておけばよかった…」
こんな簡単な手段で、雲隠れなんてできているわけがない。
でも3日、もう過ぎた。
頭に矢倉の手が乗った。
「あれはとても頑張ったからね。
何であれ、美濃を救えてよかったよ。」
後ろから抱擁される。
少し安心しつつ、疑念は結局晴れない。
この綻びを、私はこれから弄り始める。
タイトルの通り分岐点です。
もうエンドです。ちゃんと12で終わりそう。
あと次のお話はべったり性描写あるのでその、消されたら幻扱いしとく。




