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美濃隠れ  作者: yayat
10/12

right







分岐です。

rightだけど読み飛ばして良いと思う。







訝しみ、勝手な想像を膨らませ不安に陥ってた私の頭に手が触れる。



不安は消えなかった。


消えなかったが、端に追いやられた。


隅で陰になった。


染みとなって取れる事は多分ないんだと思う。



だがそんなものは気にしなければどうという事はない。


彼が話さない以上、大切な事でも無いのだろう。


大切な事でも無い。




私がこの三日、矢倉と過ごして


雲隠れを経験して


学んだのは、逃げる事。



ありきたりだが、最上の手段。


ありもしない責任を感じ、現状敷かれている道を進み、そこから外れる事をしなかった。



一度は捨てた命。仮に裏切られ悲惨な最期になるような道を辿ろうとも、また逃げ出せばいい。



染みからも、彼が私に話さない事からも、逃げ出せばいい。


目を向けなければいい。



今自分の気の向く方に、目前の安寧に浸り切ればいい_______



「ん…反撃された…あぁ、髪触られるのはきつかった?」



「これが反撃なわけ無いじゃん。」



「抵抗にも思えない。これじゃ離れられないし。」



「矢倉の事、信じていいんだよね。」



「君の事騙す理由も無いし、ここには美濃と僕の二人だけなんだ。二人の世界で君を騙しても何も意味無いよ。」



「私の事助けてくれてありがとうね。」



「だから、助かったのは僕なのに。」





そこから時間をかけて、私達は関係を持った。


交合う私達の間に子は為さない。


それには責任が伴うからだ。


負担は作りたくはなかった。




結局逃げにも飽く頃、学のある矢倉は職につき、世間と同じ様生きる道を選び、責任を背負うようになる。


こんな結末で、あの染みの事は綺麗に忘れ去られた。


これで、良かったんだ。




私の雲隠れを、誰も咎め切る事は無かった。



本を薄くする必要も無いかなと思った。


時系列はまた全話の直後に戻ります。悪しからず。



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