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異世界転移、異世界転生・譚
終わる事の無い悪夢を君へ……。
誰も、この世界を救えない。
誰も、何も救えない。
延々と繰り返される転生と輪廻の果てに、彼は絶望と無情を見る事になる。死にたくても死ねない、死んでも、また転生を繰り返して、別の世界へと向かう。別世界に転移しても、地獄。何処に向かっても、戦争と飢餓と人間の暴力が終わらない。誰も救われない。一部の統治者が利権を貪る。転生によって、強大な力を手にしても、この世界の理を変える事が出来ない。そして、力は失われて、全て、ゼロから出発する。どんなに強大な力を得たとしても、世界の理に抗う事が出来ない。
彼は、あらゆる宗教を学んだが、あらゆる宗教は、権力を補完する物でしかなかった。
彼は全てに絶望して、なおも、転生と転移を繰り返す。
死にたくても、死ねないという無限の地獄の中で、彼はいつしか自らの生きている時間を忘れる。
いつしか、死は救いである事を知る。
意識が、自我が消滅する事は、希望なのだという事を知る。
不定期連載します。
半年以上、更新しない事もあるかも。
大幅に書き直す事もあるかもしれません。