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榎本朱音の赤裸々な日常  作者:
榎本家の玄関事情
6/10

そのろく

高校(無事どうにか)に入って晴れてアルバイト生活を始めた。アルバイトって何か憧れててこう、魅力的だったし楽しめてる。

ただ、その関係で帰宅時間が遅くなるのでお夕飯を皆とは食べられない日があるのは悲しい。と言っても、お姉ちゃんも高校でアルバイト始めたし急に全員が全員いないわけじゃない。

ただちょっぴりみんな揃っていただきますって出来ないだけだ。バイト終わって帰宅しても皆がリビングでテレビ見てるから喋りながらご飯食べれるしいいかなぁとは思う。

そうやって帰宅が遅くなるから今まで夜の鍵を一手に担ってたお母さんからお達しがあった。


「最後に帰ってきた人が玄関の鍵しめて下さーい」


最初無理だろそんなんとか思ったけど、実際やってみたら楽だった。

リビングは二階にあるから毎回上に向かって叫ぶのか?!

とか考えたけど靴見りゃ一目瞭然だった。


おばあちゃん→基本おうちに居る

お母さん  →夕方には帰宅してる

お父さん  →スーツに合う靴だから一目瞭然

お姉ちゃん →私以外の女物

弟     →明らかにお父さんのじゃないでかい靴


特長をあげてみたけど、まず弟はまだ門限があるから私より早いしお姉ちゃんはあんまバイト入れてないのと私より早く終わるし。

何より普段はいてる靴以外出てないから迷う必要すらなかった。

お父さんの靴があれば私が最後じゃん!

なんて答えに行き着いたのはすぐだった。




「ただーいまー」


今日も九時まで働いて閉店作業のレジ締めをしてお家に帰れば案の定お父さんの靴はもうある。また最後か、何て思いながら玄関の鍵をしめる。

念のためにちゃんとかかってるか確認をして上へあがる。


「おかえりー。ところで朱音ちゃん、今鍵しめた?」

「ん?しめたよ?」

「おばあちゃん今日詩吟だよまだ帰ってきてないよ」

「わああああああああああああああああ!」


お母さんの言葉に鞄を持ったまま階段に戻る。

例外があるのを忘れてた。火曜日は趣味で詩吟に行ってるおばあちゃんの帰宅が遅い。恐らく鍵を持って行ってるだろうし、鍵持ってなかったらインターホン押すから問題はない。

かと言って、締め出していいわけじゃないのでダッシュで階段を降りて鍵を開ける。

とりあえず間に合ったのでよしとしよう。うん、締め出しは無かった。


「あーあ、朱音いけないんだー。おばあちゃん締め出そうとしたー」

「お姉ちゃんだってこないだやったじゃーん!」


嬉しそうに笑いながら茶化してくるのは三つ上のゆいお姉ちゃん言わずもしれた我が家の第一子、長女様だ。基本的にお姉ちゃんが前例を作ってくれるから下の私達がある程度自由に動けるあたり頭が上がらないけど絶対に言わない。

茶化しあいなんていつもの事なので怒ってますよアピールでぷりぷりと部屋に荷物を置いてご飯に意識を向ける。


「ただいまー、あーくたびれた」


ナイスタイミングで帰ってきたおばあちゃんの声がする。ぎりぎりセーフだったらしい。あともう少し遅かったら確実に締め出ししてたよ私。


「ねーねー、おばあちゃん。朱音ったらさっき鍵かけておばあちゃん締め出そうとしてたんだよ」

「ちょっとお姉ちゃん!あれは不可抗力だよふかこーりょくー!」


早速ちくるお姉ちゃんを阻止すべくリビングへ続く階段を滑り降りればしたり顔をされた。


「あらやだっ、何っおばあちゃん家入れない所だったのー?危ないわー」


こんなのは日常だからおばあちゃんも笑いながら話に乗ってくる。ノリがいいのはありがたい。我が家はいつも笑顔に溢れてるから。

とりあえずこれ以上ちくられるわけにもいかないのでおばあちゃんも誘ってお夕飯を食べよう。

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