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第9話:初めての出発

「おまたせ〜」


いつもの普段着に上着を1枚だけ着た。

腰にアイテム袋をぶら下げて、と。

準備完了!


「お、いつものセフィに戻ったな。」

「さて、それじゃぁ出発しようか。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


コムワードの森まではいたって平和な田舎道を歩いていく。

だんだん行き交う人もまばらになり、遠くに森が見え隠れする頃になると、草原の中の1本道になる。

幅は2人が並んで歩くにはちょっとキツイくらい。


「ねぇ、セフィ。」


肩に乗ったシフォンが話しかける。


「なに?」

「喉乾いたよ。」

「もうちょっと我慢しなさいよ、もぅ。」

「だってほら、もう出発してから結構経ってるよ。」

「う〜ん、そういわれてみればそうかな?」

「でしょ?みんな疲れてないのかな?」

「う〜ん・・・」


最初の頃はわいわいやりながら歩いていたけど、みんな静かになっちゃったのは疲れたのかな?

少し前を歩いているジャニスに話しかけてみる。


「ね、ジャニス。」

「ぁん?」

「なによ、その寝ぼけたような声は。」

「わりぃ、ちょっとぼ〜っとしてた。」

「ね、そろそろ休憩しない?」

「そうだな。そういわれればイイとこまで来たな。」

「そうだね。そろそろ休憩しようか。」

「あ、レオンさんもそう思います?」


あとはシェーンさんだけ。


「ね、シェーンさん。そろそろ休憩しません?」

「そうね、じゃ、この辺でちょっと休憩しましょうか。」

「ありがてぇや。最近歩いてなかったからな。結構答えるや。」

「これも訓練さ。毎日歩けば慣れてしまうよ。」

「あら、お城の警備をするのにそんなに歩くの?」

「いや、歩かない。だから毎日歩行訓練があるのさ。重装備をしょったままね。」

「うへぇ、俺じゃ2日ともたねぇな。」

「大丈夫だよ、ジャニスなら。」

「さぁ、ここの木陰がよさそうよ。」


みんな思い思いに休憩を取る。


「ねぇセフィ。お茶入れてもらって良い?」

「えぇ、良いですよ。じゃ、水汲んできますね。」

「しょうがねぇ、一緒に行ってやるか。」

「お、任務ご苦労!ジャニス警備隊長殿!」


レオンさんがふざけてジャニスをからかう。


「へいへい、かしこまりましたよ。レオン大佐殿!」


しばらく東に行ったところに小川が流れている。

皮で出来た水筒を持ってジャニスと歩いていく。


「なぁ、セフィ。」

「はい?」

「精錬術師って血統だって言ってたよな。」

「そうね、女にしか遺伝しないんだって。」

「それじゃぁ男の精錬術師っていないのかい?」

「うん、そうみたい。」

「そうか、それじゃぁいくらやっても俺には出来ねぇな。」

「うん、男の人で精錬術出来る人って聞いたことないもの。」


話をしている間に小川に到着。

綺麗な水を汲む。


「あ、ここの水って町の水と同じにおいがする。」

「そりゃそうだろ。この水が町に流れて、その水使ってるんだから。でも、においなんてするか?」


ジャニスが鼻をぴくぴくさせながら聞いてくる。


「うん、においって言うか、肌触りって言うか、暖かさ、かな?まぁ、エレメントの種類だよね。」

「俺には解らねぇよ。」

「そっか・・・」


精錬術出来る、出来ないってのはやっぱり「体質」みたいな物なのかな?


「よしっと。これだけ有れば十分ね。」

「そんなにいらねぇんじゃねぇか?」

「精錬用に少し持っていきたいのよ。この水、使い慣れてる水だし。」

「なるほどねぇ。よし、それじゃ俺が持とう。」

「ありがと。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ただいま〜、遅くなりました。」

「あぁ、ちょうど良いところだった。火の準備が出来たよ。」

「すぐ用意しますね。」


コッフェルに直接茶葉を入れて水を注ぐ。

何滴かエリフィールウォーターも垂らす。

甘み付けにスミレの花を浮かべる。

後はしばらく待つだけ。


「はい、お待たせ。」

「あら、いい匂いね。」

「ウチの特製です。母がいつも送ってくれるの。」

「そう、何処のお茶?」

「さぁ?何処なんでしょ?」

「ま、いいわ。なんかあなたらしいわね。」


誉められてる・・・わけないよね。

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