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第3話:珍客万来?!

〜夜中〜

ガサガサ・・・・カタ・・・

「・・・・ん〜・・・・」

・・・・カタ・・・・カサカサ

「ん?・・・・」

・・・・ガタッ・・・

「え?何だろ?」

工房の方から音がする・・・・

・・・カタカタ・・・カタンッ・・

「う゛・・・なんか居るのかなぁ・・・」

・・・・・

「シ、シフォン・・・じゃないよね?」

・・・・キィ〜・・・パッタンッ・・・

「?!今ドアが閉まったよね?!」

急いで工房に行ってみる。

「え〜?!」

泥棒だ・・・・

あっちこっち荒らされて・・・・

急いでドアを開けて表を見ると・・・・

「はぁ〜、誰もいないかぁ・・・」

まいったなぁ。なに盗られちゃったんだろう?

「セフィ・・・どうしたの?」

「あ、シフォン・・・」

「もしかして・・・泥棒?」

「あんまり信じたくないけどそうみたい。」

「何盗られたの?」

「まだわからない。・・・・とりあえず片付けなくっちゃ。」

「うん、そうだね。」

まったくぅ。夜中に片付けするとは思わなかったなぁ。



「えっと・・・これはこっち・・・と」

こうしてみるといろいろ物持ちだったんだね。

「セフィ、これは?」

「あ、その籠に入れておいて」

シフォンも手伝ってこれてる。

「あむ・・・・・っと」

手伝ってるとはいえ、くわえられる物だけだけどね。

「はぁ、こんな物もまだあったんだ。」

「何?・・・へぇ〜、懐かしいね」

私が小さい頃に付けてた日記。

ふふふ、シフォンのことが書いてる。


『4月13日

きょう、シフォンがビンをわってママにおこられた。かわいそう。』


「そうそう、こんな事もあったよね〜」

「そうだっけ?」

「そうだよ、ママの大事な薬の瓶だったんだもの。」

「ふぅ〜ん・・・っと、そんな事より、早く片付けないと。」

「あ、そうね。」

先は長そう・・・


「いててて・・・放してくれって!」

表で声がする。

何だろう?

「早く入れよ!」

「わ、わかった!わかったから放してくれって!」

「駄目だ、放したら逃げるだろう。」

「そんなことしねぇよ。な?」

「盗人の言うことなんか信用ならねえんだよ。」

・・・なに?・・・

ガチャ

「・・・・・」

「・・・・・」

「あ、あの〜」

怪しいおじさんが、小さな男の子に後ろ手に縛られて入ってきた。

「・・・・・」

「ほら、盗ったモンだしな!」

ボフッ

男の子が、おじさんのお尻を蹴り上げた。

「ヒ!いってぇ〜」

「あ、あの〜、何でしょう?」

「あぁ、このおやじがな、ここに盗みに入ってよ」

「はぁ」

「ほら、出しなって!」

ボフッ

「は、はいぃ〜」

おじさんがポケットからなにやら出した。

「あ、その石・・・」

アリタニーヤ河の石だ。

「これはあんたのモンだね?」

「う、うん・・・」

間違いない。

昼間買ったヤツ。

「間違いないな?」

「うん・・・」

でも・・・・割れちゃってる・・・・

「やっぱりそうじゃねぇか!盗ってねぇなんて言うんじゃねぇよ!」

ボフッ

「ひぃ!」

「あ、あのぉ・・・」

「あぁ、たまたま見つけたのさ、こいつがここからこそこそ出てくるのをな」

そうじゃなくって、石がね・・・

「いや、だから、それは・・・」

「まだ言い訳すんのか?」

ボフッ

「ヒッ!」

「怪しいな、と思ってこいつの後を付けていったら逃げたから追いかけたんだ。」

「あ、あんたが追いかけてくるから逃げたんだよ。」

「やましいことねぇんなら、逃げねぇよ!」

ボフッ

「フィ!」

「んで、問いつめたら白状したって訳だ。」

「はぁ」

「い、いや、ほんと、盗るつもりはなかったんだ。」

「じゃぁ、何なんだよ。」

「いや、だから、つまり、その・・・・」

「言い訳なら聞かねぇよ。」

駄目だ、いつまでたっても気づいてくれない。

「あのね、これ。」

割れちゃったアリタニーヤ河の石を指さす。

「割れちゃってるの。」

「え?」

「これ、家にあったときは割れてなかった。」

「あ、あんたが追いかけてきて、と、飛びついたときに・・・割れちまったんだよ」

「え?おれ?」

男の子が石を見に来る。

「あちゃぁ、まっぷたつじゃねぇか・・・。この石、大事なモンか?」

「うん・・・昨日買ってきたの。アリタニーヤ河の石って言うんだけど。」

な〜んて、話しをしてたら、さっきのおじさん、いなくなっちゃってるよ。

「あ、おじさん・・・居ない。」

「え?!あ、あの野郎!」

男の子が外に飛び出す。

「まちやがれ!くそおやじがぁ!」


はぁ、何でこんなことばっかり・・・・

やんなっちゃうな、もぅ


ガチャ

男の子が帰ってきた。

「おじさんは?」

首を横に振る男の子。

「そう、しょうがないわね。」

「その石、高いんだろ?」

「・・・うん・・・」

「・・・・・」

落ち込んでてもしょうがないよ。

「ありがと」

「へ?」

「もう、あのおじさんも悪いことはしないよ。」

「でも、この石・・・」

「いいの、これは。しょうがないモン。また買ってくるよ。」

「・・・・くっそぉ」

「???」

「全く役に立たねぇなぁ、俺は!」

「そ、そんなことないよ!」

どうしちゃったんだろ?

「申し訳ねぇ、なんかお詫びさせてくれ。そうじゃなきゃ、俺の気がすまねぇんだ。」

「そ、そんな事いきなり言われても・・・・」

「あ、そうだ。ここの用心棒としてしばらく置いてくれねぇか?もちろん金はいらねぇ」

えぇ?!ど、どうしよ・・・

「え?こ、困るよぉ。それに、君の家族だって心配するし・・・」

「大丈夫。家には冒険に行くって言って出てきたところだ。どうせ行く当てもないんだしな。」

「そ、そぉなんだ・・・・」

う〜ん。追い返す理由がない・・・

「俺はジャニス。ジャニス・バニーナってんだ。よろしくな。」

「あ、私はセフィア・・・」

「よろしくな。」

訳の分からないまま、ジャニスは家の用心坊さんになっちゃった・・・



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