第二章 溶ける鋼と氷編 第二話 通学、そして
少し波乱の予感
第二章 溶ける鋼と氷編
第二話 通学、そして
翌日
「龍牙ぁ、今日は先に職員室に行かなくちゃいけないから先に行ってるよ。」「うん、分かった。学校で。」
そう言うとルフスは走り出した。少しはしゃぎながら。
「さて、香久夜の迎えにでも行くとしますか。」
そして孤児院への道を歩き出した。
孤児院にて
私の名前は日女野 香久夜高校2年の16歳です。そんな私は今、以前までこの孤児院にいた羽柴 龍牙(私は龍牙と呼んでいる。)の迎えを待っています。ちなみに私の初恋の相手です。・・・・・・ですが
「龍牙、まだかなぁ。」
そう、約束の時間にもかかわらず龍牙がまだ来ないのです。そしてもうしばらく待っていると目の前に黒いリムジンが止まった。まぁ、誰なのかは予想がつきますが。すると、窓が開いて中から人が見えた。「あれ、日女野さん、まだ行かないの?なんなら乗せてってもいいよぉ?」これまた予想が的中して柴田 俊也くんだった。その隣に妹の凛音さんもいた。そのさらに奥に誰かがいるみたいだったが1人いるというぐらいしかわからなかった。「せっかくのお誘いだけど今人を待っているから。」そう答えると「へぇー、誰を?」と興味津々な声で聞いてきた。別に隠すことでもないので言おうとしたが、やっと本人が来た。
「ごめん、待った?」
その人の声が聞こえてきたので思わずにっこりと笑顔を見せて「ううん。そんなに待ってないよ。」と答えた。…まるでデート前の恋人同士のように。いつもはこの空気のまま学校に行くのだけど、今日は続かなかった。
なぜなら「日女野さん、そんな奴なんかほっといて俺たちと行きましょう。その方が絶対いいぜ。」などと横槍が入ったからである。正直龍牙がそんな奴呼ばわりされたのでぶっきらぼうに
「別にいいでしょ?私が誰と一緒に学校に行こうが。」と返しておいた。その後、呆気に取られている柴田君達はほっといて今日ばかりは龍牙の手を繋いで歩いた。手を繋げたことは嬉しかったが、それ以上に握り返してくれたことがとても嬉しかった。
いつも通り香久夜を迎えに行くと、そこに車に乗っている柴田兄妹がいた。そして、その内俊也の方が香久夜に話しかけていたので香久夜に気でもあるのかなぁ?でもその本人はまるで眼中にないみたいだ。気の毒に。と思いながらもいつも通りに
「ごめん、待った?」
「ううん。そんなに待ってないよ。」といった会話を済ませてて香久夜の横に立って学校に向かおうとすると
「日女野さん、そんな奴ほっといて俺たちと行きましょう。絶対いいぜ。」
と言ってきた。ここでもし香久夜が「うん。」という返事を返したらどう反応しようかと真面目に考えていると「別にいいでしょ?私が誰と一緒に学校に行っても。」と香久夜が答えて手を繋いできた。いつもなら話させるところだが、今日ばかりは先程の返事がとても嬉しかったのでそのまま握り返してやることにした。
途中、後ろをちらりと見ると柴田兄が憎らしげに僕を見ていた。
「ねぇ、龍牙。」「なに?」「なんでもなぁい♪」という意味不明な会話が何度かあったが、いきなり「ところで龍牙。なんで今日は迎えが遅かったの?」と聞いてきた。まぁ、別に香久夜には伝えようとは思っていたからなぁ。まぁ、いいか。そして
「実はね。今日から編入生が入ってくるんだ。」
「へぇー。でもそれと何か関係が?」
「実はね、その編入生が僕の家に泊まるからその準備で遅れたんだ。」
「…まさかその編入生って女の子?」
「よくわかったね。そうだよ。」
「…やっぱりそろそろただの幼馴染からレベルアップした方がいいのかなぁ?」
…香久夜が何か何かいった気がするが声がとても小さくてレベルアップがどうのこうのということしか聞こえなかった。最近ゲームにでもはまったのかなぁ?と思った。
「チッ!なんで学校内カーストトップランクの日女野さんがあんな学校内カーストランク最下位の羽柴なんかに興味を持つかねぇ?」「お兄様、いえ、ここではマスターでしょうか?」
「どっちでもいい。とりあえずあの野郎もしこれ以上女友達を増やそうものなら確実に潰す。そのためにこいつらをパパに買って貰ったんだ。そのときにはお前も手伝えよ。フルウム。」
「わかっています。そのときは。」
「ぐるるるるぅ。」
そこには2匹の獣がいた。
さらにその奥には胸に紫色のペンダントをつけ、右肩に一匹のオポッサムをのせ、右手首に鋼で出来たservaと書かれた腕輪を嵌められた銀髪の中等部の制服を着せられている一人の少女の姿もあった。
新しい敵らしき影が!!
次回に続く