サンスの街
お待たせ致しました。
がんばります!
「いきなり怒鳴ってしまって済まない・・・ひかり殿を疑う訳ではないのだが、それは本当の事なのか?それで、そのシルバーホークはどこへ向かったのだ?」
「え?どこへ向かったというか、僕に攻撃してこようとしたので倒しましたよ?」
皆さんが驚いて僕を見てます、一応素材を見せて確認して貰おうかな。
それで、アイテムボックスからクチバシは大き過ぎるので、代わりに爪を出して確認して貰う(それでも40センチ位ある、それとアイテムボックスの魔法にもおじさん達は驚いて居た)ことにする、それでも納得して貰えない時は生肉を出せば流石に信じてくれるだろう。
「た、確かに、シルバーホークの爪だ、しかもかなりの大物だった様だ・・・更に綺麗に処理もされているからかなりの価値になるだろう・・・ではなかったな。元より、そんな嘘を今会ったばかりの私達に言ったところで意味無いからな、私は信じるよ・・・しかし、さっきの魔法も凄かったがシルバーホークをも倒していたとはな・・・だが、そうなると東側はもう大ウサギしか出ない安全な地域とは言えなくなるな・・・」
ここら辺りでホークさんは、レアな魔物だったみたいです。
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本当の事だとはいえ、自分で振った話題で雰囲気が悪くなりかけているので別の話題に切り替えよう。
「あの、すみません他の御三方のお名前をまだ伺ってないですけど、良かったらお聞かせ下さい」
「名乗るのが遅れて申し訳御座いません・・・この度は助けていただきありがとう御座います。私はルシード・サンスと申します、こちらのセーグ・マークィス・サンスの娘になります。そして私は今、回復魔法しか練習してこなかった事を大変後悔して居ります・・・」
さっきまで僕に怪我がないか舐め回す様に全身を見ていた、今は落ち込んでいる女の子はおじさんの娘さんだそうです、はい!似てないです!
そして、60歳くらいに見える鋭い目をした、白髪をオールバックにして執事服を着たお爺さんが綺麗に腰を折り話掛けてきた。
「私は執事長を任されて居ります、マートンと申します。この度は誠にありがとう御座います、幾ら感謝しても足りない程に。しかし口惜しいです・・・私があと20、いや10歳若ければあんな盗賊の20や30は余裕でブチノメセタモノヲ・・・・・・」
・・・何時まで経っても、ぶつぶつ言ってるマートンさんをスルーして、僕より1~2歳年上に見える肩まである緑色の髪にヘッドドレスをした活発そうなメイドさんが、挨拶してきました。
「私は、ルシードお嬢様専属メイドを任されて居ります、エナと申します!さっきはもう、お嬢様の盾になって朽ち果てる覚悟でした!助けて下さりありがとう御座いました!」
結局戦えたのは、おじさんだけでした・・・。
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「ひかり殿はこれからどうなされるのだ?」
暫くあきれていると、おじさんがそう聞いてきた。
「僕は元々サンスの街を目指していましたので、街へ向かうつもりです」
「おー!そうであったか!それは良かった!是非!家へ来てくれ!御礼がしたい!!」
!が多いよ!!!。目的地は同じな訳だし、御礼は兎も角、ここの常識も教えて貰いたいしOKすることにする。
ちなみに、馬くん二頭は、気を落ち着かせた後に白表示から青表示に変わり、マートンさん、エナさんも、いつの間にか青表示になって居て、(おじさんとルシードさんは最初から青表示)レーダーの表示色も変わる事もあるんだと学習した。
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マップで距離を見てみると、マップの最大半径が大きくなり12キロメートルになっていて、(盗賊で二つレベルが上がったみたい・・・)サンスの街まであと38.7キロと表示されていた。
時計で時間を確認すると午後2時33分で、まだ日が暮れるまでには余裕が有るけど、馬車では日没までに街に着くのは難しいかな?
近くに居たマートンさんに聞いてみると、午前中に村を回るのに馬を酷使したうえに盗賊に襲われた事で更に疲労していて、今日中に街に着くのはとても無理だそうです。
どうしたらいいかなー・・・三連続ワープで一気に街の近くまで皆さんを運ぶか(やった事ないけど出来る気がする)、進めるだけ進んで、旅館に招待するか・・・・・・今は馬くんを早く休ませてあげたいので(旅館に馬くんを休ませる場所が在るか分からないので)、ワープで送ることにする。
「あの、これから僕の魔法で皆さんを街まで運びたいと思うのですが、宜しいですか?もちろん馬くんと馬車も一緒にです」
「そんな事出来るのですか?なら是非に!」
おじさんは他の人の意見も聞かずに即決です・・・僕、嘘は言ってないけど何故かこっちが不安になります。
それから直ぐに出発となり、皆さんと一緒に馬車へ乗り込んで(この馬車、御者席を合わせて九人乗り)、早速ワープしました。一回飛んで問題が無い事を確認した後、残り二回は連続で飛んで一回目のワープから一分経たない内に街まで2.7キロの場所まで来れた。
馬車の外に出て街の姿を確認した皆さんは、一言も喋らずに呆然としていたが五分ほど経と復活した。
それからはマートンさんが御者をして、普通に馬車で門の所まで行く事にする(いきなりワープで行くと混乱する恐れがあるので)、馬くんの事を考えてゆっくりと進んでも二十分位で門に到着する。
この街の壁は、石で出来たブロックを積み重ねて作られているみたいで、高さは10メートルはありそう。マップで見ると、街をグルリと囲むように正方形に近い形で建てられていて、その一辺の距離が大体7キロも在りかなり大きい街なのが分かる。
門は木に鉄枠で補強された物が大小と二つ在り、今は小さい方だけが開いていた(それでも4メートルは在って人は勿論、馬車も余裕で通れそう)。
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門に着いたら、少し確認したい事があるからと、おじさんに言われ僕とおじさんとルシードさんは馬車から降りる。
僕達が馬車から出ると、周りに居た人達からどよめきが起きた。最初は、ここの領主のおじさんやルシードさんを見ておどろいてるのかと思ったんだけどみんな僕を見てるのが気配で分かる。いそいでレーダーを見て赤表示を探すがない事が分かり安心する。
門の所で街に入る人をチェックしていた兵士さんにおじさんが話し掛け、僕が見ていた限りでは街に入る人全員に触らせていた占いで使う様な水晶玉を僕の所まで持って来させた。
「ひかり殿、疑う訳ではないが念の為にこれに触ってくれまいか?」
どうやら、この水晶玉は嘘発見器の様な機能があるみたいだね。
おじさんが本当に申し訳無さそうに、水晶玉を僕に差し出してくるので右手で触ると、直視出来ない位眩しい青い光が水晶玉から溢れた・・・。
暫くして、手を水晶玉から放したら、光が収まってきたので周りを見ると・・・侯爵のおじさんを始め、周りに居た人達全てが僕に向かって地面にひれ伏した状態でした・・・。
なんでやねん!!!
読んで下さり誠にありがとう御座います。