四章
話が進まない…
どうもこの学校は女性が大半を占めるらしい。
胃の痛さに耐えながら思うのは目の前の光景のせいだ。バスに定期を通してから停留所に降りると、そこには女性しかいなかった。
おかしい。この学校は女子高ではなかったはずだ。もしかしたら間違えたか!?と
思ったが向こうの校門にはデカデカと『信和学園入学式』と書かれた看板と豪華な校門があった。
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信和学園は私立高校である。キリスト教プロテスタント系の学校。信神愛人に基づき個人を尊重したキリスト教に基づく人格教育、全人教育を行っている。学力はトップクラスにあり。周りからは≪お嬢様学校≫として有名だ。国際交流が活発であり交換留学も行われている。女子の制服は時代によってデザインは変わるものの可愛らしく黒を基準にしたブレザーと白いシャツ。学年によって基準色の違うチェックのプリーツスカート。リボンの色も学年によって違う。女子の制服が凝っているのに対し男は普通の学生服で校章を付けただけである。
嫌な予感はしていた。20分に教室に入った時クラス席のほとんどが埋まっていて、そのほとんどが女子だった。
42人のクラスで横六列、縦七列の席順は女子が名前の順で並んでいるのに対し男は端に追いやるように窓側の一番後ろだった。
(マジかよ……)
席順の表は女子の名前が赤く表され、男子は青。そして――
(男子が二人しかいない……)
一番後ろの窓側そこに青く自分の名前≪立壁 龍≫と書かれている。
やはり苗字は変わっていなかった。これは朝に自分の家の表札を確認した時もそうだった。しかし名前が微妙に違う。龍≪りょう≫こんな珍しい名前ではなかったはずだ。
そして隣の青文字≪古手川 進≫
全く知らない人物だった。記憶にない。つまりこの≪異世界≫の人と言う事になる。
汗が噴き出る。女子の名前にも知っているのが一つもなく。≪異世界≫なのだと改めて実感した。
考えても仕方がない。あと10分でホームルームだ。席に着こう。
座席表から目を話し振り返る。
周りの女子が一斉に目線を外す。外すとはつまり見られていたと言う事だ。まるで見世物だ。
帰りたくなるが我慢しかない。しかしこれが三年も続くとなるとおかしくなりそうだ。
席に向かう途中すれ違う女子はみな大げさに距離をとる。
さらに帰りたくなるが校舎に入ってまだ10分しかたっていない。しかも教室に来る間に似たことが繰り返されたのでもうどうでもよくなってきた。
すでに精神力をずいぶん削られ、疲れた体を席に埋めた。
これで一章にするべきだったと思う今日この頃
やっと短編レベルの文字数