三章
見直すのが怖い
元の世界の自分はあまり人に自慢できるような学園生活を送ってはいなかった。素行や成績の点では特にだ。
しかし二回目ともなると勉強も一通りわかるし、人間関係の構築も慣れてきている。二回目の学園生活ってもしかしたら凄くいいんじゃないか!と、思ってる時期が自分にもありました…
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駅からバスに乗るために住宅街を歩いていく。きっちりと整理された道路。白を基準とした道は綺麗だがとても機械的。家も一軒家ばかっりで上を向くと開けた空がよく見える。ビルなどに邪魔されないのは嬉しい事だ。
駅まで来たときもらい物の時計は7時30分を指そうとしていた。バスの時間が40分。ちょうどいい時間だ。しかしバスで30分とは結構遠いのか、と思ってしまう。前の学校は歩いて行ける距離だった。
バスに乗ると意外に利用者が少ない事がわかる。席は半分も埋まっていない。
しかし視線が痛い。確かにこんな恰好で仕方ないと言えば仕方ないが、校則には違反していないのだし自分みたいなのはどこにでもいるだろと思うけど…
もしかしたらかなり厳しい学校なのか?と心配になるがやはり自分の恰好が奇妙なのだろう。泣きたくなってきました。
やはりバスと言ったら一番後ろの席だ。自分はそう思う。幸い誰も座ってないようなので座らせてもらう。一番後ろの右端。自分の特等席になりそうだ。
周りの生徒を見ると皆自分とは色の違う校章をしているのがわかる。たぶん上級生なのだろう。一年生の校章が緑だとは分かるが……
(二年が青で三年が赤だったか?)
案内の紙を思い出す。確か体操着の名前の色も学年によって違うという話だ。
そんな事を思いながら周りを見るが女性率が高い。というかバスに自分しか男がいない。もしかしたらこの距離の男子はみんな自転車なのか?
疑問に思う。しかし居づらいし、奇異の目線が痛い。まるで女性専用車両に迷い込んだ感じがする。胃が痛くなってくる。
これは自転車通学も考えないとなーと思うが、三か月は定期の範囲なのでしばらくはこの視線に耐えないとだな。
静かな住宅街を抜けバスは走る。どうやら都心とは逆方向にあるようだ。バスが出ていてくれて助かった。場所がわからなくてもこれなら生徒についていくことで迷わない。
専用バスがあるというのは流石私立と言ったところか。施設は充実してそうだ。もしかしたらみんな一本早い電車なのかもしれないな。
住宅街を抜け緑が多くなる。しっかりと整備された道路とそのままの自然に違和感を覚える。
周りに自転車や最寄駅からの歩いてきた生徒の数が多くなる。朝の騒がしさが始まっていた。
書きたいのを書く前にギブアップしそうです