二章
章をもっと長くした方がいいのか細かく刻むか…
自分で投稿となると凄い難しい…
洗面台に立ち、くせ毛の髪をアイロンでまっすぐにしワックスで前髪を上げる。確認した生徒手帳によると頭髪に関する校則はパーマと染色だけだったので何時もの髪型にしていく。
いつも通りを心懸ける。そうしてないといけないのだ。
あの後上の階から降りてきたばあちゃんとじいちゃんも混ざっての心配タイムが始まったのだ。
嬉しい事だが、違和感だらけの人たちに質問された方が参る。すぐに取り繕った。
自分に全く影響しなかった高身長の祖父と年齢の割に若々しい祖母。痴話喧嘩が絶えないが無口な祖父がすぐに退場する。
そんな事を思いながら準備を終える。
「りょー。食べたら食器片づけなさいよねー」
母さんに似た女性が洗面台の入り口で話しかける。
「ああ…ごめん」
忘れてしまっていた。どうしても後回しにしてしまう癖があるな…
「ったく。いっちょ前に色付きよって」
「なんだよ…」
半笑いの母さんを睨む。なんだ色付くって。
「――」
母さんに似た女性が少し悲しそうな顔をする。
「――睨むとあの人そっくりね。顔のベースは私なのに…」
「…あ?」
「なんでもないわ。イケメンって言ったのよ。」
「そりゃどーも」
「まあぶかぶかの制服着たヤンキーってのが締まらないわよね」
笑いながら戻っていく彼女。確かにそうだ。この髪型にし始めたのはもっと先だし、制服ももらい物でぶかぶかだ。髪型は決めているのに体はまだ中学生を卒業したばかり。
なんか恥ずかしくなった来た…肩幅のあっていない制服。ばっちり決めて固めた髪。ちぐはぐだった。
(ま、いいか。この髪型ならあいつもすぐわかるだろうしな)
ぶかぶかのズボンをロールアップし、丈を整えながら思った。
●
「じゃ、母は9時30頃行くからまた後でね。」
「わかった」
「駅からバスに乗って行くのよ?わかる?」
「さっきも聞いたよ。大丈夫」
必要以上にあれこれ言いだした母に似た女性の言葉を聞き流し支度を終える。指定のカバンは初日だから軽い。片手持ちの合皮のカバンは毎日持っていかなければの割に小さくモノが入らなそうそうだ。
「記念写真撮りましょうか」
「おじいちゃんカメラ持ってきて!」
「……」
突然言い出すのは元の≪世界≫と変わらない。祖父をこき使う祖母の姿もだ。
何時までも意地を張るのはやめるか。
何時までか分からないがみんなここでは≪家族≫なのだ
「じいちゃんもばあちゃんもはしゃぎすぎだよ」
「なにいってんの!孫の晴れ姿よ!」
「ああ」
満面の笑みのばあちゃんと薄く笑みを浮かべるじいちゃん
「ホラ、セットしたわよ!早く準備!」
「いや、母さんパジャマだけど…」
「あ…」
その後結局着替えて取り直すことになる。どこか抜けている母さん。
帰るのは大前提だ。
しかし久しぶりに母さん達と一緒に暮らせるのだ。これを楽しんでもいいだろう。
何回目かの異世界。もしかしたらこれはご褒美なのかもしれない。
戻るまでならいいだろう。楽しもう。
妹がいないのは寂しいが元の世界に帰ったら一緒に飯でも食いに行くか。
そんな事を思うと急に最近妹や母に会ってなかった事を思い出した。
(母さんの違和感が大きいのはこのせいなのかな)
忘れるほど会ってない訳でもないのに。
●
結局撮るのに時間がかかって自分の出発は時間ギリギリになってしまった。急かす祖母と謝る母。「いってらっしゃい」と小さく言う祖父に見送られ家を出る。
懐かしい朝ごはんと庭の匂い。庭に出たのも久しぶりだ。前の時のように綺麗な花壇と花々は見ていてとても絵になり、記念撮影のいい背景になった。
朝からこんなに調子がいいのは久しぶりだ。
学校は全く知らない所で不安はあるが何とかなるだろう。
何が書きたいのか…