表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アーセンの休日  作者: 飼い犬
2/5

一章

そんなに章は多くならない内に終わらせたい。

世界観ぐらいきちんとしよう。


「おはよう」


「おはよ~。遅いわよー初日なんだからしっかりしなさい」


親にすら違和感を覚えるのは絶え辛いことだった。顔、体系、性格。そのほとんどが同じなのだろう。しかし感じてしまう違い。


「初日って?」


「何言ってんのよ。今日は高校の入学式よ?しっかりしなさいよ、まったく。」



呆れた風に言うパジャマ姿の女性はやはり自分の母そっくりだった。年若く見える童顔。二重。全て自分の中にあるものであり、家族の証拠だ。


しかし年若く見える染めた茶髪は自分とは違った。ここも元の世界と同じ。



「母は入学式から行くけどりょうちゃんはホームルームがあるんでしょ?」


(そうなのか…)


「また今思い出したみたいな顔して…はいプリント。」



呆れ顔の女性から受け取った紙。

読む内容としては大したことはない。8時30からのホームルーム9時30からの入学式。しかし気になる事がある。



「信和学園高校…?」


「いい所入学したわよね~。母は鼻が高いわ!」



うふうふ言ってる女性には悪いが全く記憶にない学校だった。元の自分は中堅公立にだらだら通っていたはずだ。しかもこの家庭の事情で私立に通えるはずが…


「こら!」


「いったっっ」


小さな破裂音と痛みで自分が叩かれた事がわかった。


「…お金の事なら大丈夫よ」


「でも――」


自分の顔や雰囲気から察したのだろ。やはりこの女性も母なのだと思えてくる。

たとえ違和感だらけでもだ。


「あなた一人ぐらい私立だって通わせてあげられるわ。こういう時一人っ子っていいわよねー。ばあちゃん達もお金出してくれたし――」



その後の言葉は聞いていなかった。≪一人っ子≫そう言われたのだ。


手汗、冷や汗。

今の自分はトンでもなく顔色が悪いのだろう目の前の女性も心配そうに見つめてくる。


「――ねえ。大丈夫?本当に調子が――」



聞こえていなかった。

自分の家族が、妹が二人≪世界≫から消えていた。






これは10章以内じゃ終われないか…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ