第七話 悪夢
結局、何が何だか分からないまま3人で帰宅。
「あー疲れたねーいざちゃん。」
「…ああ。そうだな。疲れた。」
「………………。」
のんびりと会話をしている男二人。
ため息すらつかない女一人。
あれから約1時間。
私の頭の中は、一言で言うと、とりあえずカオスでした。
そして、レジで会計を済ませたあたりで、ぷっつん…と電源落ちました。
ここまで来たのが、奇跡のようです。いや、ホントに。
ああ、疲れた。
「お~い?みぃちゃ~ん?」
「…汀?」
二人の呼ぶ声が遠ざかり、意識がぼうっとしてきます。
…私はソファにコテンと横になったまま、眠りに落ちていきました。
・・・・・・・・・
だれか。
たすけて。
幼い私の声がする。
私が、助けを求めている。
何かに追われているようだ。
何度もつまづいて、それでも必死で逃げている。
――――何から?
だれかぁ。
たすけてぇぇ。
こわいよぉぉ。
へんなのが、くるよぉ―――
子供の私を追っていたのは、それはそれは醜い妖。
見ていた私も、思わず身震いするほどの。
それは突然こちらを向き、今度は私を追い始めた。
私は必死に走って、走って、逃げた。
先ほどの幼い私と同じように、叫び、泣きながら。
だれか。
たすけて。
だれか。
だれか。
わたしを、
たすけて。
・・・・・・・・・
「…!…わ!」
「助けて…」
「…ゃん、…ぃちゃん!」
「だれかぁ…」
「汀!!」
「――――――っ!!」
名前を呼ばれ、パチッと目をあける。
ぽけんとしていると、紅ちゃんの顔が左からにゅいっと視界に入った。
「みぃちゃん、大丈夫か!?すっごいうなされてたよ!?」
続いて、右から十六夜の顔が。
「…悪い夢でも、見たか。」
気付けば、私はソファの上で体を強張らせ、震えていた。
全身にじっとりと冷や汗を掻いていて、不快感を募らせる。
そして、頬には大粒の涙がボロボロと零れていた。
「…もう、大丈夫だ。」
十六夜が涙をハンカチでそっと拭き取ってくれる。ゆっくりと起き上がると、汗で湿った髪が首に纏わりついていた。
「みぃちゃん、シャワー浴びてきなよ。」
そう紅ちゃんに言われ、私はふらふらとバスルームに入った。