第六話 買い物2
~しばらくして~
そーいえば…ごく稀《まれ》に男の人の視線も感じるんだけど…
…はっ!?
…ま、まさか…。
こ、個人の嗜好に口を出す気はないけど…やっぱりちょっと、怖い。
…そうだよね…そういう趣味の人も、居るんだもんね…世界には。
愛があれば、性別は関係ないものね…。まあ、
その割には、数が多いけど。
もう15人くらいは同じような嫉妬の視線を二人に向けてきているよ…ごくたまに、羨望を感じるけど…。
なんでこの二人に?嫉妬するの、私じゃないの?…別にいいんだけど。
そして、もう一つ疑問。
何で二人はそういう男の人達を睨みつけるの!?
どうして!?好意持たれてるんじゃないの?私が嫉妬されてんでしょ!?
ツンデレ!?ツンデレなの!?ああもう、分かんないよ~~~!
…とまあ、脳内で悶え苦しんでいたわけですが。
「みぃちゃん」
「汀」
突然二人に同時に名前を呼ばれ、「へ?」ときょろきょろと二人の顔を交互に見上げる。
「重いだろ?カゴ持つよ。」
「ここは冷房が効いてるから、寒いだろう。」
紅ちゃんは私のカゴを奪い、十六夜はTシャツの上に羽織っていた上着を私に着せた。
カゴを強引に持たれ、手が迷子。
上着がぶかぶかで、正直緊張する。
しかもその上―――
「へ?いやあの、私、大丈夫だよ?」
「「………………。」」
抗議しても、まさかの黙殺。
さらにさらに―――
「汀。手。」
「え?わ、とっ」
きゅ。
十六夜に手を握られる。
………。
エ、エト、これは、イッタイ……??
そして何故十六夜だけ?
紅ちゃんは?
「あー、俺カゴ持ってるから出来ないやー。ごめんねー」
紅ちゃんがあっけらかんと言い、十六夜が「そうか」と言った。
当の私は、無表情で歩いていた。
頭の中は、パンドラの函が開いたように大パニックでしたが。
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