第一章 陸軍学校
前回のあらすじ
養子に出され不遇の中育ったハインリヒは、恵まれない日々を母のように大事にしてくれた老齢の女性の使用人や、大好きな乗馬のおかげで辛い日々を耐え忍んでいたある日…
第一章 陸軍学校
1903年 13歳の時
前々から私を早く追い出したがっていた養父に、陸軍学校に入るよう言われ、
家を追われるように陸軍幼年学校を受験した(陸軍学校は貴族などが良く受験し、その後に続く士官学校まで卒業し士官になれれば家名が上がる為、小貴族などは次男以下の子息を軍に出すことが多かった)
受験前に養父から入れなければ捨てられると言われてしまい、そこからは学校に入れるように屋敷にあるものをすべて使い、家事の合間に必死に勉強し必死に訓練した。
そしてなんと学校を次席で合格できたのだ。
其処からは兵科を分けられるが、成績優秀者または貴族は加えて騎兵科が選べたため、昔から乗馬が好きだったので騎兵科に進み
学校では好きな乗馬もできて、シュヴァルツベルク家にいた時より楽しい毎日だった
だがそこで見たのは楽しい面だけではなかった。
一つは貴族への偏見と恨みだった。
私は養子の為貴族ではあるが後ろ盾は無いに等しい。
だが名前は貴族名なので話そうと声をかけても無視をされたり怯えられたり、時には舌打ちまでされた
悲しかった…こんなにも受け入れてくれないものかと
だが諦めずに声を掛け続けると一人の生徒が話しかけてきてくれた。
その子は名前をオットー シュトラウスと言った。
オットーは歩兵科の生徒で気弱な子で訓練では怒られてばかりらしく、
最初こそ怯えていたが、徐々に心を開いてくれて
生まれて初めての友達になってくれた。
やはり初めて友達ができたことは心の底から嬉しかった。
だがもう一つ残念なことがあった。
それは貴族生徒の怠け切った姿である。
何度声をかけても真面目に訓練をせず、しまいには授業を休む始末
そして教官もそれを貴族相手だからと黙認していることに唖然とした。
これでは他の生徒に嫌われても無理もない。
騎兵科以外は真面目にやっているのに自分たちはふんぞり返って訓練しない。
「こんな環境で強い軍人が育つわけがない」そう落胆した。
だがそこからも私は諦めずに一人で訓練した結果、
騎兵科では乗馬は一番の腕になった。
もちろん騎兵科の生徒からは恨みを買い難癖をつけられたが「真面目に訓練しない自分のせいだろ!!」
と怒鳴り一蹴した。
そのあとは恨まれいじめを受けたが、負けてなるものかと必死に訓練し
2年経ち最終的には騎兵科を首席で卒業した。
この頃から私は高みでふんぞり返っている貴族共を束ねる位に立ち、真に国民を護る強力な軍隊を創りたいと思うようになった。
ここでオットーとも別れてしまったがその後も交流は続いた。
最後まで読んでくださり感謝します。
序章では「あれ?これ歴史もの?」ってなりましたがそれっぽくいなってきましたね~。
ここからはこんな感じで行こうと思いますので、どうぞ次もお楽しみに~。




